気性が荒く破天荒な主人公の、再生ストーリー

16世紀のドイツ――その歴史を知っている人も、まったく知らない人も、繰り広げられる死闘の世界に入り込める作品!

ちなみに、私は後者でした。
日本の歴史だけでも苦手なのに、海外の歴史ものになんて、手が伸びることはありません。
そんな私がどっぷりとはまった作品です。
私にとっては、ファンタジー小説を読んでいるような感覚で、とても楽しく読みました。

一部オリジナルの設定もあるということですが、まるで史実を見ていたのかと思うほど。
戦いのシーンは息を呑み、仲間たちとのやりとりでは思わず笑い、そして、じんわり瞳が熱くなることも。

物語りは戦いばかりだというのに、暗い話だとなぜか感じないのは、魅力あふれる主人公を彩る登場人物たちも、個性豊かだからかもしれない。
もう、登場人物が誰が好きかと上げようとすれば、語るのが尽きない気がします。



気性が荒く破天荒で、「俺の尻をなめやがれ!」というほど下品で、おっぱい大好きな主人公ゲッツ。
この作品は、そんなゲッツの再生ストーリー。

私がこの作品を読み終え、数日が経ち、今でも心に残るのは――過酷な戦いをも笑い飛ばしてくれるようなゲッツの明るさと逞しさでした。

その他のおすすめレビュー

呂兎来 弥欷助(呂彪 弥欷助)さんの他のおすすめレビュー149