お医者様の日常の覗かせてもらっている──そんな錯覚に陥る作品。

 医療に携わる人と、携わらない人では、圧倒的に後者が多いように思います。けれど、これまで一切病院にお世話になったことのない人はいないと思います。
 病院は身近だけれど、日常とは最も遠い場所。そんな感覚の人もいるでしょう。
 基本的に、お医者様と話しをする機会と言えば、それこそ病院にお世話になるときだけです。

 だからこそ、興味深い話がこの作品にはたくさんあると思います。拝読していて、面白い話が多くあることはもちろん、為になる話も多いです。

 そして、拝読すればお医者様が本当に大変な職業だということを改めて知り、その中で毎日執筆されていることに頭が下がります。患者さんや病に真摯に向き合って下さっていることにも頭が下がります。
 ただ、お医者様も『これはネタにできるかも』と違う角度から仕事を日々楽しんでくれているのかもしれないと思えば、それはそれでこちらとしてはちょっと気持ちが楽になります。
 十代から持病を持ち、長年通院をしている私にとっては、そういう意味でもありがたい作品です。

 時には厳しい現実もあり、工夫をして仕事を乗り切るコツもあり、知識や技術を学び高める努力も仕事には必要で。でも、基本は楽しく──そんな『仕事』の側面も垣間見れるすばらしい作品です。
 何よりも、これから医療に就く人たちが増えてくれたら! と熱を注いでいるのを感じられます。

 自分が嫌だと思う仕事であれば、他の人にもとは思えないと思うんです。なので、作者様は仕事を愛していらっしゃると感じています。患者としてはありがたく、何かあったときにはこんな先生に診ていただきたいと思います。

 新感覚の現代ドラマ。
 連ドラになったら、新たな医療ドラマができるだろうなぁと期待しています。

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