タイトルにもある「幻」と言う言葉が深い意味を含んでいたなあ…と思った作品でした。
人が死んだというちょっと怪談風な謎から始まり、皆が現在と過去でどう関わっているのだろうというミステリーが話の展開にテンポを添えてくれます。
幽霊の存在の是非において対立する二人の少女と、二人の助けを借りて謎を追う主人公の少年。あまり馴染みのない交霊会なるものも登場し、切ない恋心も葛藤もあって、一つのジャンルとして括るには勿体ないドラマを読ませてくれました!
読みやすい文章で混乱もなく読める作品でもあります。
少年は最後に何を知り何を思うのか。
是非ご一読下さいm(__)m
これは「本格ミステリー」だと思います。
なぜなら「ミステリー」と言う言葉には、神秘、不思議、人智では計り知れないことと言う意味が含まれるからです。
「推理」または「推理小説」を表すコトは言うまでもないでしょう。
探せば類似の作品が存在するかもしれませんが、この作品はミステリーの言葉が持つ両方の側面が見事に表現されています。
「真実は一つ」です。
しかしなぜそうなったのか?それは当事者以外は知りえぬコト、作中でも表現されるように「心霊」と言う言葉を普通に見れば、「胡散臭さ」が香ってしまいます。
「ラノベだから良いか?」的な思考で受け止めてしまいがちですが、この作品はそうではありません。
作者さんの価値観、意志と言うか野心の様なものが見えて来ます。
まさに「ダイイングメッセージ」(←この言い方はおかしい?)!!と言うモノがこの作品に在り、それが紐解かれてゆきます。
あまり書くとこれから読む方に失礼なので控えますが、これから読む方へ、最後に「姫」と言う言葉も含め、綺麗に解決される様を読んで頂きたいと思います。