宮崎駿は、「泥まみれの虎」を描いたときに、なぜティーガー戦車を描いたかについていいわけをしている。そこには、ひとという存在の愚かさがつまっているという。そんなこたあない。そんなこたあないだろう。いや、確かに愚かしくもあるかもしれないが、ティーガーを描く理由はそんなとこにあるはずがない。ティーガーは、何よりもまず強い。最強である。しかし、その強さは哀しい。鋼鉄の装甲には、哀しさが封じ込められていめかのようだ。ティーガー、その最後の勇姿は。哀しくもあり。美しくもあり。そして、その強さにこころを震わせられずにはおられない。
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