難しい事抜きに、するするっと読めました。第一話の主人公の姿は、共感できるものがありました。最終話、まさかこんな話がやってくるとは!
主人公の嘘をつかない性格、その性格ゆえにすれ違いや不条理を被ったりする。嘘の善悪を考えさせられる作品。
嘘には一般的についていい嘘と悪い嘘があると言われているが、いづれにしても決して幸せな結末は迎えられない。相手方から芽生える感情は不信感、疑心暗鬼にいきつく。自身には罪悪感、虚無感が残る。つまるところ、泥棒は財貨を手にいれても決して幸せになることはないということだ。
子どもの頃についた嘘を戒めに二度と嘘はつかないと心に決めた青年が、ストイックにまた不器用に生きていく様を丁寧な文章で描いている。 嘘にもいろんな嘘がある。つたほうがいい場合もあるかもしれない。嘘が悪いことは誰でも知っている。それでも一切嘘をつかずに生きるのは、やはり難しい。そういうことを改めて考えさせられる物語です。
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