嘘と偶然、そして必然。運命と踊り、踊らされ。

自身の境遇を呪いながらも、よくしたいと言う希望あふれる銀の少女は兎にも角にも生きることに逞しかった。
人の世の中では理不尽なルール、不文律、そして蠱惑的な誘いと陰謀。

いい生活を!と望み、自身を男と偽ったその日から、「彼」の運命は動き出す。

生きるために、と言う根幹的で原初的な主人公の行動は筋が通っています。芯の強さを感じます。
嘘をつくことの善悪はさておき。
一旦走り出してしまった嘘からの話は、あれよあれよと「嘘でした」なんて言えない話に大変貌。
嘘とバレるのでは?と言うスリル。
世界観も作り込まれており、固有名詞はやや多め。
時間の経過は比較的ゆっくりなので、丁寧な描写が光ります。
腰を据えて世界観に浸りましょう。

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