音楽と演奏者の奥深さを知ることのできる物語

短編が集合して一つの大きな作品となっている構成で、これはその一編になります。物語のキーとなるであろう二人の過去を切り取った短編です。
これはちょっと独特な小説で、音楽的、詩的な雰囲気の中に、音楽に身も心もささげたようなキャラクターたちが独特のドラマを紡いでいてきます。クラシック音楽の演奏者たちが、独特の世界観、人生を歩んでいることを考えると、クラシック音楽そのものを見る、聞くのも変わっていくような気がします。
ちなみにこの二人の子供たちが「風花」という作品に登場し、彼らが主役の物語を展開していきます。こういう構成がまた楽しい作品です。

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