概要
助けたその少女はまるで、執筆中の作品の中から出てきた英雄のようで…
あまりにも突飛で荒唐無稽すぎる武勇伝と逸話から、未だに実在が疑問視される伝説の英雄、「与え姫」。その寵愛を得た少年たちの成り上がり物語―――『与え姫奇譚』を執筆する、元・国家魔術騎士養成学校出身の作家、アルフレッド。
ある「致命的な理由」により、目標としていた国家魔術騎士への道を断念し、日雇い警護の仕事をしながら、売れない作家生活を送り燻っていた彼だったが、収穫祭の夜、「魔術師」とおぼしき、負傷した少女を保護する。
しかし彼女の姿、常軌を逸した魔術の能力。どことなく既視感がある……。
そう。それはまさしく、アルフレッドが現在執筆中の作品『与え姫奇譚』の主人公の一人―――伝説の英雄「与え姫」の姿そのものだったのだ―――!!
まるで、自身の作品の中から抜け出してきたかのような謎の
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- ★★★ Excellent!!!売れない作家の書く小説が、正史の裏に隠された真実を暴き出す――のか?
それは現実なのか、それとも単なる妄想に過ぎないのか――歴史の陰に隠れた存在であったはずの「与え姫」との出会いは、アルフレッドの運命をどう動かすのか――本作品は、重厚な設定に裏打ちされた、本格ハイ・ファンタジーです。
主人公アルフレッドは、売れない小説家。彼の小説が売れない理由、それはお手軽な娯楽を求める大衆に迎合する内容ではないから。
伝説的存在である救国の英雄を題材にしながら、むしろ彼を支えたと言われる人物に焦点を当てた小説が、本作品のタイトルともなっている「与え姫奇譚」。
アルフレッドが、独自の解釈と脚色を交えて創作した「与え姫」というキャラクターそっくりな美女と出会うところから…続きを読む