つまり、だ。私はこの物語を大変気に入ってしまったのだ。

ああ、何故もっと早くこの物語の存在に気づかなかったのか……。
小一時間くらい自分自身を問い詰めたい。それくらい、この物語は魅力的である。

和風(おそらく明治~大正くらい? 作中で明示的に記されていないため、この箇所は私の想像です)な舞台設定に、耳に馴染みのある怪異たち。
それらに立ち向かう亜緒と蘭丸の掛け合いが心地よく、さらりと読めてしまう。

ここまで書いて、ようやく理解した。
要するに、造りが上手いのだ。

その丁寧さが心地よく、次々と頁をめくってしまう。そんな不思議な力のある、そんな物語なのだ。
どうか皆様も一読いただければ、この気持ちをお分かりいただけるだろう。

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