人とアンドロイドの憎愛まで描いた王道SF

 検死解剖官の主人公と、ヒューマノイド達のやりとりが王道なSF小説を読んだという満足感を与えてくれます。

 SF作家で有名なフィリップ・K・ディック氏が、大学の講義で話したとされる内容の原稿「人間とアンドロイドと機械」というものを以前に読みました。機械と人間の境目にあるアンドロイドの定義とは何かを検証するような内容でしたが、この話で登場するヒューマノイドにも医師の検知でも難しいほどの細かな境目が描かれています。

 映画ブレードランナーの原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?」では、人と機械の憎愛が見せ場なのですが、映画では綺麗になくなっていました。それを口惜しく感じたディック原典派におすすめです。

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