探偵組織で活躍する少女が様々な依頼を解決しながら、己の過去と向き合う

 「Q」という探偵組織に所属するボーイッシュな少女が、神父と呼ばれる男性とともに事件解決に動くミステリー小説です。事件の発生する回は1話の中で完結しながらも、バックボーンとなる大筋を追っていく構造は、20万字を超える小説ながらも読みやすく感じられました。

 トランプの順位か「Q」と「K」、そして上層部からなる大型の探偵組織と犯罪者達という構図が面白く感じます。個々の登場人物も、話の中でキャラクターの肉付けが行われ、読み進めるごとに好感度が増していくかと思います。

 最終話まで拝見させていただきました。探偵もののイメージとして、シリーズ物の場合はなかなか本筋が動かないお話が多い中で、少女の過去に決着をつける形で締めくくられます。個々の推理を楽しみながらも、物語をして大筋を読み進められますので、ゆっくりでも読んでみていただきたい作品だと感じました。