タイトルが「〇〇の××」となっている作品が多い。
ジブリ映画はタイトルが「〇〇の××」となっているとヒットするというジンクスがあるそうだ。それにあやかった訳ではないが、不思議と間に「の」が入っていると、座りが良い気がする。最近は長いタイトルが流行りなので、意識して長いタイトルをつけた作品もあるが、やっぱり「〇〇の××」に落ち着くことが多い。
本作のタイトルも「総督の遺言」。
祓川を主人公にした長編小説の第二弾に当たる。祓川は有能な刑事だが、性格に難があり、警視庁捜査一課で上司と衝突して、所轄に左遷されたという設定。所轄でも持て余してしまい、事件を解決する度に異動させられている。
正直、癖のある主人公は書いていて楽しい。物語に起伏をつけ易いし、曲者探偵は人気がある。但し、読者の共感を得難いので、等身大の相棒が必要になる。曲者探偵に普通の人という定番の組み合わせになってしまうので、マンネリは避けたいところ。
執筆順で行くと、本作は第九作目に当たる。
第一作「生首の神饌」~鬼牟田圭亮・西脇コンビ
第四作「七軒屋の悪魔」~嶽昴・隈井コンビ
第五作「南洲一族の縄墨」~祓川・宮川コンビ
第九作「総督の遺言」~祓川・佐伯コンビ
第十作「海賊島の墓標」~阿佐部・近藤コンビ
第十二作「悪魔に捧げる鎮魂歌」~鬼政・藤川コンビ
第十六作「呪い谷に降る雪は赤い」~柊・茂木コンビ
ご覧の通り、「〇〇の××」というタイトルが多い。