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南洲一族の縄墨・あとがき

拙作をご一読いただき、ありがとうございました。

 犬神家を目指した作品。一族のどろどろとした怨念を描こうとしたが、割と簡単に犯人が分かってしまう為、あれやこれやとテンコ盛りにし過ぎた。返って特徴の無い作品になってしまったようだ。
 書いている時は思わなかったが、どうやら、狭い村社会で育った人間が、村社会の特権を手に入れようと犯罪に手を染める――という設定が個人的にお好みのようだ。
 武田鉄矢さんが主演した映画で「刑事物語」という作品がある。主人公の片山元はハンガーをヌンチャクのように使い、事件を解決する度に異動させられ、日本全国の警察署をたらい回しになっている。
 実際には、地方公務員である警察官が都道府県の枠を超えて異動することはないらしい。そこで、本作の主人公、祓川は優秀な刑事だが、性格に難があって、事件を解決する度に異動させられ、警視庁捜査一課から所轄をたらい回しになっているという設定にした。
 癖のある性格で、「呪い谷に降る雪は赤い」で登場した柊と似た感じになってしまった。但し、執筆順はこちらが先。ちなみに「祓川」は福岡県行橋市にある川の名前。日本各地に同じ名前の川がある。
 最初は「溝畑」という名前だった。無論、横溝+古畑で溝畑にしたのだが、ちょっとまんま過ぎて祓川に変えた。
 祓川を主人公とした長編小説第二弾「総督の遺言」があり、公開予定。

※第五作目の長編小説
【拳】

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