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磯浜村の周郎・あとがき

 浦島太郎を現代風に書き直したら――という発想のもとに書いた作品。作中、主人公の名前として登場する周郎とは三国志・呉の武将、周瑜のあだ名。周瑜がイケメンであったことから、「郎」という字がイケメンを現わすようになり、太郎だとか、男の子の名前になったらしい。
 2021年に「鏡」を皮切りにショートショートを大量に書いた。その後、ミステリーに戻ってショートショートのことは忘れてしまっていた。「磯浜村の周郎」がその時に書いた最後の作品で、今回、当時書いたものをまとめて掲載した。
「花火」は思い入れのある作品。「タクシー」はアイデアを思い付いた時、やった!と思ったが、落語か何かに似たような話があると知ってがっかりした思い出がある。「お姉ちゃん」は座敷童をヒントにした作品。「木枯らし使い」は朝、散歩をしていて思いついた。「地下鉄」「けもの道」は時間を扱った作品。「鏡」「なかよしノート」「ボタン」「行列」「カリスマ美容師」は初期の作品なので出来はいまひとつだが、星新一先生風にはなっていると思う。「ナムカミナムカミツツガナキヤ」は呪文を考えるのに苦労した。「空だって飛べる」「一秒でできること」はお気に入りの作品。
「木枯らし使い」「タクシー」「ナムカミナムカミツツガナキヤ」には続編がある。
 今年、三年振りにショートショートを書こうとしたら、アイデアが出て来なくて苦労した。ミステリーとは異なる脳を使うのかもしれない。

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