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悪魔に捧げる鎮魂歌・あとがき

 探偵が犯人だったら面白いだろうな――とは何度か考えた。
 だが、ミステリー小説のタブーだし、流石に反則過ぎるような気がした。その代わりでもないが、探偵が犠牲者だったらという発想のもと、書き上げたのが本作。完全に出落ちの作品。探偵が犠牲者である為には・・・で知恵を絞った結果、少々、強引な展開になってしまった。
 屋敷が消滅する――というのも面白そうだと思って、やってみたが、犯人探しのはずが、犯人は何処に行ってしまったかになってしまった。「呪い谷に降る雪は赤い」を彷彿とさせてしまうが、この作品の方が先に執筆したもの。
 読者をあっと言わせようと思うと、意外な犯人を用意するのが一番。限られた登場人物の中で、読者が驚くような犯人が用意できれば良いのだが、もう読者を驚かす意外な犯人像など出尽くした感がある。
 次に殺害方法。密室を含めて、どうやって殺したかだ。これはまだ色々なパターンが考えられる。
 そして動機。犯人や殺害方法で真新しさが出せないなら、せめてここだけでも読者をあっと言わせたい。人を殺そうというのだ。ここが弱くてはどうしようもない。
 探偵が犠牲者である以上、新しい探偵が必要になった。最初はアシスタントの藤川を探偵役にしようとしたが、やっぱり別の名探偵を用意してしまった。

【登場人物・対比表】
井上晃=辻花高寛
(父)井上晴秀=(父)辻花大悟
(母)井上淳子=(母)辻花今日子
(叔父)井上輝秀=(叔父)辻花公正
(父の友人)田上常永=(蛭間昭雄の父)田口智康
(母方の親戚)青田大輝=(青木涼香の父)青木矩史

※第十二作目の長編小説
【登場人物・関係図】

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