小野木 もと果

[校正補助／田原直子] 　落雷に巻き込まれた１７歳の少年。 　病院で目覚めると、少年は彼ではない彼になっていた。 　少年の中に現れた彼は、昭和２０年を生きていた海軍上等飛行兵曹…

はてなインターネット文学賞応募作品です。

“ロビンソン” 　その名はどんな困難も切り開き、誰も触れることのできないほど遠くの世界へ行ける旅人達の名前。

ぼくが好きだった子は鉄道が好きで、そうして、まちがった。

【角川武蔵野文学賞】最終選考対象作品に選ばれました。皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。 新型コロナウイルスで大学に合格できてもオンライン授業。家に閉じこもるしかな…

　“広い銀河の星々はみんな輝いているのに、とある星達が他の星と同じように輝いていることが嫌になって、この地平に砂雨になって逃げてきた。 　その銀河から落ちてきた星達が折り重なり…

霊界を漂う少年の魂に、ヘリオドールと名乗る意識体が語りかける。『前世とは別の世界で新たに生を受けないか？』 覚醒直後、少年の前に現れたのは彼を呼び出したと語るケモミミの少女――自…

少女と見紛う美貌の母、色子。 色子とは正反対の娘、諒子。 色子に似た人形を作り続ける男、誠司。 「髪を伸ばして化粧をさせて。それで色に似れば喜ぶんだね、誠司さんがさ」 そのキ…

夏の終わり。 あんなに煩かったアブラゼミは減り、ツクツクボウシが増える。その日はエアコンも要らないくらい涼しくて、私は窓を開けたままうたた寝してしまった。 季節の変わり目はいつも…

　同じ大学に通うわたしとコージは、いわゆる彼・彼女の関係になって一年が経つ。だが、八ヵ月前の一件から、ぎこちない関係になってしまった。 　夏のある日、わたしと彼、そして彼の親友タ…

いろいろ知りたい黒猫と、大人になりたての青年。 立ち寄った町で、故郷の村で、港へ続く街道で、色も形も大きさも違う二人が不思議を見かけ、通り過ぎ、時々ふれる物語。 「ねぇアルル」…

紫陽花。赤い傘。蝸牛。青。蛙。水たまり。雨がっぱ。虹。梅雨。失恋。てるてる坊主。新しい長靴。

佐藤さんは、ある時会社の後輩の水本君がタバコを吸っているのを見かけた。 しかし、他の社員はそのことを知らない言う。 疑問に思った佐藤さんが、たどり着いた意外な結末とは？