100年と1秒と1時間の私。【角川武蔵野文学賞】最終選考対象作品

作者 雨 杜和orアメたぬき

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★★★ Excellent!!!

生きるとは、時の流れのなかにある、ということだ。
『ゾウの時間ネズミの時間』という有名な生物学の本があるが、同じ種、人間同士でも、時の流れは異なる。
或るものは観察に徹し時を俯瞰する。
或るものは時を取り込み体現しようとする。
或いはその狭間で、その生きざまから時を知ることもある。

あなたは、時をどう流れるだろう。

オススメです。

★★★ Excellent!!!

まさか、『武蔵野』というお題から、
この物語が綴られるとは、驚きです。

なのに、『武蔵野』というお題を、
違和感なしで、物語に馴染ませる様は、
素晴らしいと思いました。

ただ、もう少し、オチに、
更なる意外性か、

大逆転の明るさ、

等が、あれば、更に輝いたと思いました。

★★★ Excellent!!!

人は個々に違う。そこに流れる感情も時間も。ここには平坦な心も激情もあるが、全てが公平に描かれる。そしてそれは短い言葉では表現できない魅力を持つ。登場するキャラクターは作者が手掛ける別の異世界ファンタジーに登場するのだが、このストーリーは切り離された物語として完結しているので短時間で作者の一面を垣間見るには最適。やや重い面もあるが是非、気軽に手に取っていただきたい。

★★★ Excellent!!!

この、人と人の感覚のズレを知っている。
自分の興味分野でしか話せない人。誰かと同じ、共通の世界や話題で生きたい人。普通に生きたいと願えば願うほど異質であることが受け付けられず、ボロボロになっていく人。

そこには、社会的・倫理的な善悪も、精神的な強弱もない。
ただ、それぞれの時間を必死に生きているだけだ。

繊細すぎて病む友人と、自分の世界だけで完結する母。
主人公は、ただ淡々と「人は孤独である」事実を見据えている。
他者を変えることは出来ない。どうしようもないことを受け入れながらも、それでも少しでも他者と同じ世界で生きることを主人公は夢見る。
そんな物語です。

★★★ Excellent!!!

かの有名な劇作家シェイクスピアの名言に『君、時というものは、それぞれの人間によって、それぞれの速さで走るものなのだよ』というものがあります。

本作は主人公と母親と友人を通して、それぞれの時間の違いを巧みに表現しつつも、友人の時の歩みに抗いたい主人公の切なるピュアな気持ちが現れています。

短編に当たるためにすぐに読めると思います。縄文人と女の子の友情が好きな方には特にお薦めです。