概要
この世界の果てまで歩む全ての旅人へ
“ロビンソン”
その名はどんな困難も切り開き、誰も触れることのできないほど遠くの世界へ行ける旅人達の名前。
その名はどんな困難も切り開き、誰も触れることのできないほど遠くの世界へ行ける旅人達の名前。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!実在しているのか、それとも幻か。いや、そんなことはどうでもいい。
春からずっと空いたままの席。不登校の生徒の席なのだろうか。
机の上には一冊の本が置いてあり、挟まれた栞はなぜか物語の終わりに向かって移動している。
机に置かれた本は、ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』。
ロビンソンという名はどんな困難も切り開き、誰も触れることのできないほど遠くの世界へ行ける旅人達の名前。
姿を見せない生徒は、いつしかロビンソンと呼ばれるようになった。
学校で合唱コンクールが開催されることになる。
しかしいつまでたっても指揮者が決まらない。
とうとう「ロビンソンにやってもらう」ことに決まった。
一度も登校してこない生徒だというのに。
そして、合唱コンクール本…続きを読む - ★★★ Excellent!!!姿なき旅人を示す特別な名前
合唱コンクールを控えたとある学級と、その教室内、一番奥の不思議な空席のお話。
すごい話です。いやこれ、本当、すごかった……何か言わずにはおれないのに、何も言える気がしないのが本当に困ります。単純にあらすじを要約することすら難しいというか、そうしたところで大事なところが全部ポロポロこぼれ落ちていきそうな感覚。この作品の魅力はきっと作品本文でしか書き著しようがないし、またそれを読むことで受け取った何かを、別の言葉で説明するのも難しいです。個人的な感想としては、文学作品のようだと感じました。この作品から感じたもの、面白みや情動の揺さぶられ方の種類は、その分類以外には仕分けようがありません。
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