岩須もがな

第七回こむら川小説大賞参加作です。 たぶんホラー。 斜陽が、金色に耀いている。

教会の鐘が厳かな雰囲気を醸し出すように数回鳴る。国民の悲しみを背負ってますとでも言いたげな重音が、国のあちこちから聞こえてきた。 気弱な勇者とその友人の魔法使い。 最後は静かな…

高校生の奏多は、ここ最近とある駅の夢を見る。真っ暗なホームに到着するのは藤の花だらけの電車。行き先は「かゆきかくゆき」、乗っているのは浴衣姿の見知らぬ美少女。彼女はいつも「カナタ…

職場の喫煙所仲間かつ飲み友達の先輩の近況を聞いていた夜の話です。

従兄弟のA君は、美術室の箱の中から女の子の声がするのをききました── とりとめのない、バラバラな６つの手のひら怪談は、けれど箱と弟妹で繋がっていた。

知らない方々のために説明すると、「レッツゴー！みぎおくん」というのは、平成15年6月4日から平成16年1月18日まで、毎週金曜の夕方に放送されていた日本のアニメです。 【あらす…

地獄というのは案外近しい場所にあるのだな、とぼんやり思った。

『【三題噺 #64】「詐欺」「呼吸」「空腹」』によせて書きました。 ついでなので、文字数もそろえてみました。

この町では時々、人が消える。 僕が知らないだけで、もしかしたら人以外も消えているのかもしれない。犬も猫も鳥も虫も木も建物も……全てが消えて、空白に『何か』が流れ込む。空白は『何か…

実家での兄との思い出をささくれひとつで思い出す弟の話です。

シフトの関係でよく顔を合わせるし喫煙所で一緒になることも多いのでぼんやり付き合いがあるバイト先の先輩から、休憩時間に聞いた話。

短い怪奇譚を小箱に詰めます。 一話完結です。どこからでも読めますので、どうぞ気軽に覗いて下さい。 ※軽い残酷描写、近親愛、同性愛的表現を含む作品も投稿します。

ある日の放課後、僕等しかいないがらんどうの教室で、不意に友人がそんなトンチキなことを言い出した。

近頃、妙な夢を見る。 仏間で弟と話している夢だ。家のどこかで風鈴が時折りぃんと澄んだ音を立てるので、たぶん季節は夏なのだろう。廻り廊下の向こうに見える山々の緑は色濃くて、青褪めた…

人類滅亡小説フェスタ参加作品。 https://kakuyomu.jp/user_events/16818023213267028054

夏の夜の話。

埋めたのは父さんだよ。

自主企画「犯罪者が出てくるブロマンスを書いてほしい」に寄せて書きました。誕生日おめでとうございます。 死んだ友人と暮らしつつあれこれ思い出したり考えたりする話です。 ※動物に…

「犯罪者が出てくるブロマンスを書いて欲しい」によせて書きました。最低文字数を目指しつつ、黒髪長髪も出し、犯罪も犯してみました。主催の草森ゆきさん、お誕生日おめでとうございます！

バイクに轢かれた男×バイクで轢いた男がなんか付き合うことになるハートフルなボーイズラブです 期間中に１０万文字いったのでよかったです

終電を逃して転がり込んだ先輩の家で、安い缶酒をお供に口下手な先輩の昔語りを聞いた夜の話。

今日先輩に逆剥け酷いね……と言われたから書きました　義理の兄が死んだバスケ部男子の話です

「総受けvs総攻めフェスタ」によせて、総受けの方で書きました。これで…いいのか…！？　とりあえずがんばりました。よろしくお願いします。

『兄』は存在しないはずだった。

夕刻の赤い光が射し込む部屋に、兄の死体が転がっている。 ※流血あります。

おそらくは、昭和20年代前半、東北は仙台近郊の寒村にて。 復員兵の「俺」は、満州から故郷に帰還した。 菊の花を手向けに向かったのは、妻である薫の墓だった。 しかし、そこには先客が…

水上家に纏わる連作短編。 ふんわりゆるい怪奇譚です。ちょっと怖い話も怖くない話もたぶんごっちゃに突っ込みます。

兄弟愛でいたかった兄と、兄の傍にいるにはどうしたらいいのか必死で考える弟のお話 １話完結　短編集です あまり名前は出てきませんが 弟：庵　燈（いおりあかり）ゲーム実況者カリン …

X（旧Twitter）での企画「novel首塚」によせて書きます。11月中、あらかじめ決められたお題に合わせて喋る生首が出てくる話を書くというものです。 なるべく毎日、楽しく書き…

服役中の兄が死んだ。遺骨を引き取りにアメリカから帰国した弟は、墓地へ向かうタクシーの中で、兄との記憶を呼び覚ます。 柴田恭太朗様の自主企画【三題噺 #21】「記憶」「スイカ」「…

田舎に住むとある兄弟の『　』の話。 短めの読み切りです。 ※初掲載はTwitter。他サイトにも掲載中です

兄を無邪気に愛する弟と、兄弟愛でいたかった兄のお話 あまり名前は出てきませんが 弟：庵　燈（いおりあかり） 兄：庵　聖哉（いおりせいや） 幼馴染：新田真斗（にったまなと）

★『Q eND A』書籍版発売日決定★ 7/25に書籍版が発売されます。どうぞよろしくお願い致します。 https://www.kadokawa.co.jp/product/3…

「第一回NTR小説フェスタ」によせて書きました。

自主企画「因習村座敷牢人外青年祭」参加作品です。 とある村で、山神と呼ばれる存在の世話役をしていた青年のお話。

「アンコール企画　第21回～第25回のお題 」によせて書きました。お題は以下の通りです。 第21回 「ささやかな余白」 第22回 「昨日失くした涙」 第23回 「あの時と同じ風…

親の言うことを聞かないと、昔はよく「サーカスに売る」と言われたものです。 今は多分放送禁止用語ですが、昔はそんな会話が普通でした。 本作品はフィクションです。 実際の団体や事件…

何も信じられなくなってしまった主人公は、ふと、おばあちゃんから聞いた話を思い出します。 『今は誰も住んでいない山向こうの村には、願いを叶えてくれる神様がいる』 神様にお願いを…

自主企画「死別ブロマンスを書いてほしい」に寄せて書きました。 旅は道連れ世は情け。

朝桐刀弥は人知れず獲物を狩る。 狩るのは突然変異を誘発された、バケモノたち。 なぜ戦うのか。 単純な話だ。 ただそれだけを求めて作られた存在なのだから。 それ以上の理由も意義も、…

弟が入院するとの知らせを受けて、兄はKindleの中身を整理した。 （第一回イトリ川短編小説賞　大賞受賞作品） （お題『たったひとつの望み』）

死に惹かれる大学生・宵路（しょうじ）は望まぬ集団自殺から生き残った。同じ境遇のりんから、命を落とした親友のため、真相を突き止めようと誘われる。 何のいわくも因縁もない心霊スポット…

日常あるいは非日常、垣間見えた怪異のようなものたちの残像を記録した掌編です。 100～400字程度。Twitterに掲載していたもの・短編の元になったものを収録しています。

髪はなんぼ長くてもええですからね　因習村成分は低めです、すみません

友達（そんな親しくない）の死体を渋々探す話。

『【三題噺 #34】「釣り」「フルーツ」「雑誌」』によせて書きました。

第五回性癖小説選手権に寄せて書きました。 性癖:お互いを想いあう仲良し兄弟 性癖:兄より大きい弟 性癖:素手で首を捩じ切る 性癖:一見まともそうだけどイカれてる 性癖:既に殺さ…

さすがに無理がある

語り部の老人が死んだ―― 彼の死は、村を動揺させた。 この村には、語り部がいなくてはならない。 毎日、毎日。 噺を待つモノが、座敷牢の闇の奥で待っているのだから。 新しい語り部…