酒癖の悪いサークルの先輩に構っていたら終電を逃してしまったので、何となく知ってる人の部屋にお邪魔することになった。
一応先輩にあたるけど、めったにサークルに来ないし、来てもいつも静かな人だ。
しらけてしまった飲み会のやり直しも兼ねた宅飲みで、彼は奇妙な身の上話をし始めて……
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話の切り出し方が光る一作。
いそうな人がありそうな状況で語りだすのですが、語りの中に彼の人となりや経緯も表現されていて、ごく自然に後輩として話を聞いていました。
そんな状態で伝えられた内容は、怖いというより、友人のヘヴィーな側面を知ったときの「まあ、うん……」という雰囲気になるものでした。
聞き終えても、日常はおそらく終わらず、彼との距離感も変わらない。
どういう気持ちで話をしてくれたのかという点も含めて、色々と考えながら帰途につく、そういった短編です。