腹音鳴らし

地の文のリズムが小気味良く、文章全体にドライブ感がありました。 豊かな表現力と作品のアイデアが綺麗に混ざり合い、この作者にしか書けない、という物語に仕上がっています。 非常に珍しい…続きを読む

この作者の筆力ならでは、といった本作。 主人公である『私』が体験する二つの出来事を、お題である『いいわけ』とタイトルの『一過』へ、見事に落とし込んでいる。 本作はその内容の平坦さが…続きを読む

ありふれた出会いと別れを描いた作品にもみえるが、それはあくまでも『枠組み』の話である。 本作の見どころは、何といっても登場人物達の感情芝居である。……とはいえ、多くの作品にみられる…続きを読む

偏執性が垣間見えました。
何気ない事の繰り返しが、そこにある狂気と結びつく瞬間をとらえた作品。
依存の過程というものを、驚くほど明確に描写しているのが特徴。
傑作。

共感性の塊のようなエッセイ。
社会人になると、普段から意識していなければ、なかなか運動機会が訪れません。
そんなオトナの現実を、あけすけに書き連ねた作者に、敬礼！

まさに現在、この伝説の書を使って指導を行う者としては、柔道整復師、理学療法士、整体師、ボディーセラピストは必見である！！　と言いたい。 ……冗談はさておき、巨人を対象に、筋肉という…続きを読む

タイトルと本文のかかわりが、素晴らしく組み上げられた傑作。
平易な文章にもかかわらず、何が起こっているのか理解しやすく、また作者の意図するところが正確に伝わってくるのが魅力でした。

三回読み直しました。 何が起こっているのか、想像する楽しみ。分かった時の爽快感。そして、やっぱり間違っているかもしれないという不安感。 様々な気持ちにさせられるこの会話劇を、是非、…続きを読む

自分には書けないものを読むと、気持ちが高鳴る。 私にとってそんな作品でした。 丁寧に紡がれた本文からは、作者の人柄が垣間見えるようでした。作品全体から伝わってくる可愛らしい雰囲気が…続きを読む

情報量が抑えられ、シャープに整えられた本作。
思い出は人それぞれですが、心に残る色がいつも鮮やかとはかぎらない――。
作者の感性が光る作品でした。

感情芝居という言葉があるが、本作はそれにとどまらない魅力があった。 短編形式の文量で掲載されているが、設定がしっかり作り込まれているため、登場人物の感情が繊細に表現されているのが最…続きを読む

丁寧な文章で綴られる物語が好印象です。
短い中にも確かなストーリー性があり、オチの鋭さに拍車をかけています。
みなさんにも、この辛味を体験して欲しいです。

さらりとした口当たりのショートショートでした。
作品全体から伝わる可愛いらしさを、みなさんにも感じて欲しいです。

『ぬいぐるみ』というお題から、ここまで想像力を膨らませて作品作りをされているのは、素晴らしいと思いました。あまり見かけない作風でありながら、大きな破綻がないのも好印象です。 少し変…続きを読む

最初から最後まで、雰囲気が一貫していたのが好印象です。 テイストはホラーながら、ちゃんと人間ドラマも描かれていて、読み進めていくのが楽しかったです。 ラスト一文のセンスが、本作のレ…続きを読む

猫が店長を務める不思議な本屋を舞台にした、ほんのりファンタジー作品。
短いながら、読み味がとにかく優しいのが特徴で、読後感も爽やかでした。
普段から忙しい人には、特におすすめです。

親しみやすい文体で語られるエッセイです。 本屋という業態がかつての姿のままでは生きづらくなってしまった現代ですが、本作で語られる思い出の本屋さんは、不思議な味わいがありました。 ま…続きを読む

爽やかな読後感のお話でした。 愛情というものを植物に例えるだけで終わらせず、作者の考えに基づく解釈がきちんと表現されていて、非常に好感が持てました。ホットドッグをマスタードだけで食…続きを読む

デティールをぼかされているのが、逆に雰囲気を出している。そんな作品です。
静かで寂しいはずなのに、嫌な後味を残しません。
良かったです。

騙し騙されの展開が、作品の静かな雰囲気とは裏腹にスリリングです。 この後、主人公はどうなってしまうのか、という緊張感に包まれながら、あっという間に終わってしまうので、細かいところも…続きを読む