とりあえず筆をとってみる。
そうすれば自ずと物語が進み始める。
ゆっくりと。
巨躯を震わせて大地を転がるダンプカーのように、ゆっくりだが力強く。
それは己への揺るぎなき自信を燃料にし、決して誰にも止められない。
知らず知らずのうちに速度を増す。
後退や進路変更などせずに、ひたすらギアを上げていく。
目的地なんてない。
到着した場所が目的地だ。
あの太陽が沈もうとも、砂埃で視界が遮られようとも、道がなくなろうとも、目指す場所すらなくたってアクセルを踏み続ける。
こんな感じで(端的に言えば計画性がなく)書き始めるのですが、たまに皆様のところにお邪魔すると、その完成度の高さに毎度唸らされます。
起承転結ぜんぶ美味しいのです。
おそらく目的地決めてから書いておられるのだと思います。
私もそうありたいのですが、事前に考えていると頭の中がゴチャついて、車のキーを回したり反時計に回したり、無意味にワイパーを動かしたり、ライトをチカチカしたり、ボンネット開けてみたりと全然出発できないんですよね。
いつかチェッカーフラッグ目指してスポーツカーみたく駆け抜けるような書き方がしてみたいものです。