ふと頭に浮かんできて、嫌な気分になる事柄がある。
現実を直視させるもの、自分の弱さを告発するものが該当する。
そういうのが昼休みなんかに浮かんでくると、せっかくの休憩時間が台無しになる。私はなるべく浮かれていたい人間なのだ。
とはいえ、一度脳内を駆け巡ってしまったものは仕方がないのでここに書く。
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物語の中で力を得た上で(特に敵を倒して)何らかの成功をおさめた人物が、話の終わりで、穏やかに幸せな人生を送った……というのはありがちな展開だ。
ここでの力は、手に入れる方法を問わない。努力にせよ、与えられたものにせよ、関係がないということだ。
穏やかに幸せな人生を送るということは、まずは安定が前提にある。
自分だけでなく周囲の人物、環境も含めてということだ。何らかの危険因子があった場合、それを回避または排除する必要がある。
力は得たままにはならない。得たままずっと状況が動かないのなら、そもそも物語の上で敵や障害を打倒することが出来ない。
穏やかで満たされた生活をするには、あらゆる手段を講じて、自分の既得権益を守らなければならないのである。
そこまで考えて、ふと思ったのである。
これって元々敵側がやってたことと同じじゃん、と。
逆転して勝ったのなら、後々で逆転され返して負けても文句は言えないはずなのだ。物語はそれを許さない。
勿論、物語には物語に合った読後感が必要なのだ。せっかくスカッと勝ったのに、その後のエピローグで
主人公の王国は後々、同様の力を手に入れた他の国に蹂躙された……
では最悪だ。
事実は小説よりも奇かもしれないが、そもそも小説にそこまで奇をてらう必要もないかもしれない。
案の定、この話は結論が出ない。
明らかに考えすぎだし、ピントがズレている気もする。
嫌な気分だ。