累乗。
それは、数字を天文学の領域へと推し進める。
人間の一生だったり、文明史だったり、はたまた地球の歴史だったり……それらが小さくみえるくらいには、膨大なことになる。
やってみて、思った。
これは人の手に負えるものじゃない。
初っ端も初っ端なのだろうが――『無限の猿定理』実験は、一つの区切りを迎えようとしている。
もとから考えなどなかった。プロットもなく、ただ足掻いてみた痕跡と、その結果を残しているだけに過ぎない。
そして、「案の定」の壁にぶち当たった。
読者様一同、思っていたことだろう……この作者は何故、鉄の壁に全力でぶつかりに向かっているのかと。
理由は一つだ。私がバカだったからに他ならない。
バカが、カッコいい言葉一つに浮かれてしまった。
なまじ技術があったから、やってみよう……と思ったに過ぎないのだ。
そして私は、壁の前で跪いている。
……跪いた経緯を書くと言うのは、どうにも気が乗らない。
だが、これは「実験」なのだ。可能にせよ、不可能にせよ、レポートは書かなくてはならない。
改めて言おう。
これは、人の手に負えるものじゃない。