読み合いではありません。
皆さんは「思想の自由市場」という言葉をご存知でしょうか?
有害な言論や思想は対抗する批判によって自然淘汰され、自由市場に任せておけば良質な言論や思想のみが生き残っていくという考え方のことです。そこに政治的介入がなされることは民主主義のリスクになり、避けるべきだという理解がこれまでの常識でした。
しかしネット環境の変化は、その「思想の自由市場」が機能しない世界をもたらしつつあります。某大学の研究者の指摘によると、最大の要因はWeb広告の氾濫。その競争原理は、かつてのような冷静かつ良識ある言説ではなく、刺激や過激さばかりを追求するものへと変貌を遂げました。目立ったもの勝ちとばかりに怒りや興奮など感情を煽るものが量産され、ビッグデータの活用がそれに拍車をかける始末。彼らは、この歯止めのかからない刺激競争の行く末に警鐘を鳴らしています。
ところでこの状況、何かに似ていませんか? そう、小説界隈におけるWeb小説の氾濫です。かつての良質な言論や思想は影を潜め、その価値基準は刺激や過激さの競争へと変化していく。まあ、同じネット上の話ですから、当然といえば当然でしょう。
そこで、この企画では「かつて多くの物語が持ち得た良質な言論や思想を残す作品」を募集します。時代遅れなどと濁った目を向ける輩もいますが、人の良識や価値は時代によって変わるものではありません。刺激競争に踊らされた内容ではなく、人が人足り得る価値をただ一心に描く、そんな作品を置いていってください。ジャンルや文字数は問いません。
参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「かつて多くの物語が持ち得た良質な言論や思想を残す作品」を選択してください。
瞼と頬、そして左眉を貫く傷。少年時代に川野の雷神と呼ばれた鳴沢陽介。その鳴沢に助けられたことのある音羽菜々未。十年を経て、菜々未の勤める会社に鳴沢の履歴書が送られてきて……。 …
★52 恋愛 完結済 29話 89,156文字 2022年3月14日 20:00 更新
暴力描写有り性描写有り 胸キュンちょびっと哲学コワモテ男子とゆる女子ギャップ萌え生きるのが苦しい人にライト文芸
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