「歯 あやかし」を含む小説

※あらすじに妖怪と句の解説をつけております。 もしも現代に妖怪が暮らしていたら そんな情景を詠んだ二十句 人に馴染み人とあるのか 人から離れてしまうのか どちらにせよ人のある限…

佐倉川利玖の前に現れた十六個の歯。不思議な材質で出来た歯の近くには『そだててください』という書置きも残されていた。熊野史岐と佐倉川匠も合流して歯の正体を探るが、その最中、歯の一つ…

墓じまい後、とある現象に困っていた生田は銀髪の男と出会う。名は是々柊木。仕事は、宿無シ集め。 「墓じまいの時、ちゃんと供養したって？そんな脳天気な事を言ってるのは、生きてる人間…

父が遺した中華料理屋「蓬莱軒」存続の瀬戸際に立っていたあたしの前に、中華鍋を背負った青年シーフーが現れた。 ぼーっとしてるくせに、歯に衣着せないシーフー。腕は確かだが変人の料理人…

八月、父親の心中に巻き込まれた邦彦は人魚に助けられる。 彼女は彼に食事を与え、溺死しないように甲斐甲斐しく世話を焼くが、 その歯は赤黒いものでべっとりと汚れていた。

「ねえ、おねえちゃん。お願いがあるの」 　白いかんばせの少女はおもねるように甘えた。長過ぎる犬歯を自慢げに覗かせ、青褪めた唇をひずませる。 「おねえちゃんの、左腕をちょうだい…

　昔、昔、はるか昔、妖怪、物の怪、魔物が存在していた頃。 人々は、暗闇に潜む彼らを恐れ、畏怖していた。 そんな時代に奇妙な出来事から話は始まる。 　あるところに、名士の一族がい…

神狼の統べる国・光牙王国では、近頃ある者達によって人々や街が襲われているという事件が相次いでいた。 その正体は、妖《あやかし》と呼ばれる妖怪であった。空想上の存在だと思われていた…