「幻想 蜃気楼」を含む小説

　薫子の意識が、夢と現実の狭間をさまよううちに、ゆっくりと浮上してきた。目を開く前から、彼女の感覚には違和感が広がっていた。まるで、体が宙に浮いているような、不思議な感覚。重力か…

うだるような猛暑の中、僕は自転車を止めて公園のベンチにもたれていた。 —そこに、もう一人の僕が現れた— 僕は僕に問う。 「きみは、どっちの僕がいい？」

１９世紀末のロンドン。 地方の貧しい男爵家出身のアイラは、由緒正しい伯爵家の嫡男バートンに恋をした。 秘書として働くアイラの初めての恋は、誰にも明かされぬまま、ひっそりと消えるは…

夏を感じたいと思い立った「私」は苫小牧に一人海を見に行く 真夏の北海道、海で見たモノ 北海道が舞台の幻想小説

　突然幻想的な湖に迷い込んだ主人公 そこは蜃気楼の町なのか？　現実離れした場所で一人の女性と出会う だが約束を守らなかった末路には何が？

平成最後の夏に捧げる、ちょっと不思議な夏の思い出話。 蒸し暑い日に蜃気楼の中に入り込んでしまう「蜃気楼の夏」、二百年ぶりに日本で羽化する巨大な蝉の羽化を見に行こうとする「宇宙蝉」…

失われつつある懐かしい故郷の原風景に思いを馳せる。 第26回新美南吉童話賞応募作品