「一部SF要素」を含む小説

　東京で暮らす女子高生・虚木真弓は、世界が溶けていく夢を繰り返し幻視していた。 　街も人も輪郭を失い、赤黒い肉の塊となってひとつに融け合い、劫火の果てに消える終焉の光景―― 　あ…

　その日、僕はたしかに死んだはずだった。 　二年前――彼女が里を去ったあの日のように、また魔獣に襲われて…… 　……あの時と違うのは、助けるべき人を逃せた事で。 　だから、…

　――その日、ローダイン王国において、ひとりの暴君が討たれ、ひとりの王が誕生した。 　暴君だったのは王太子たる兄、アルベルト。 　それを討ったのは、双子ゆえに隠されていたとい…

数年前に出会い、目的の一致で拳を合わせた三人……アヴル、モエ、クロト。 三人は限りなく理想に近い土地を見つけ、各々の目標の為に根を張らすのだった……。

「――グレイ。あんた、あたくしの代わりに学園に通いなさい」 　シャルロット姫様のわがままはいつもの事とはいえ、その日の命令は飛び切り無茶なものだった。 　――ステルシア帝国の…

止まない霧と、その怪異に溢れた世界。 人類は生き残る為、エーテルの障壁と長大な城壁で都市を囲う。 そして霧に包まれた未開の領域を探索し、資源を求める者達「探索者」 要塞都市ニ…

　――それはきっと、運命の出会い。 　その日、虹月から降りて来た機獣が街をめちゃくちゃに壊した。 　学校にひとりで残っていたわたしは、崩れた校舎の片隅で、迫り来る機獣を前に、…

　カイル・リシャール第二王子は嫌われ者だ。 　小柄で太い体型に、醜い容姿。 　誰もが使える魔法が使えない無能ということも、周囲の嫌悪感を煽っている。 　そんな彼が、ある日父…