「ゆらめき」を含む小説

二本の足は 宇宙をさまよう

「僕たちはクーラーのない六畳一間で、夏という季節に完全に敗北していた。」 大学生の圭太と従兄弟の虎兄の、夏のひとこま。

虹の光は波に映し出され。刻一刻と色を変える。潮の満ち引きによって絶え間なく流離い続ける、砂浜と海のあわいと、あたかも連動するかのように。そんな一瞬一瞬の心の揺れと絆を綴る。

二次会、カラオケボックス、思い描いた姿ではない自分、琥珀色の憧憬。 何もかもがうまくいかなくて至った現在に、希望を爆発させた彼の話。

季節は冬、クリスマス間近。大学四年生の僕（朝野瑞晶）は二年間付き合った彼女、七綾由美と待ち合わせ、灰色の町を出発する。それは終わりの旅。過ぎた時間を背にしながら向かっていく目的地…

　かがやきはゆらめきを探す旅に出た。……泣き虫なゆらめきを永遠の悲しみから救い出すために。

　高校一年生のお嬢様、朝雲ゆらめきは、ある日、二つ年上の先輩の高浜雅に恋をする。

　街にはこの日のために集まった人々が溢れかえっていた。露店が並び、道端であれどこであれ、楽器が掻き鳴らされ、人々が踊っている。鮮烈な色彩の服飾がゆらめき、伸びやかな手足の首で跳ね…