「ときめき 純文学」を含む小説

　やさしい恋人を待ち暮らす日々を、豚バラ肉を料理したい衝動が襲う。お揃いのキーホルダーも効かない。わたしは豚バラを焼きたい。

ひろは、雪村が自分のことを好きと言っているのを、盗み聞く。そして席替えで、雪村がひろの席の隣へ来た。雪村が その席を選んだのは偶然じゃない。しかし盗み聞いた事なので、 なにも言え…

　あなた、さては旅のお人でしょう。 　わたしを見て「ああ！　足だけが歩いている！　化け物だ！」と、わめき散らすような失礼な方は、ここにはおりませんから。 　そうです。まずは落ち着…

男子高校生、宝条巳月とクラスメイトの鴉羽真白は、昼休みに誰もいない教室で逢瀬を重ねていた。しかし二者の間に、初々しいときめきや甘酸っぱさはない。横たわるのは、激しい後悔と諦念だけ…

川瀬七菜、30歳。好きなことを仕事にしたくて転職するも、仕事に首を絞められる毎日だったが…担当するイベントをきっかけに人気芸人コントンライダーのツッコミ・匠と親しくなる。そんな折…

友稀と憂の出会った日 桃の節句ーー　 奥深い長野の山の庵で催された満山一矢の茶会に出かけた高咲憂。優雅で艶やか、風流な行事、でも落ち着かない。 兄、優紀の同級生の一矢に巧み…