「純…文学？」を含む小説

　「ね、どうしてこんな雨の中で歌っているの？」 　そうやって問われたのは、他に誰もいない橋の上。 　 　ずぶ濡れでギターを持った僕は、さっきまで歌っていた姿勢のまま固まって。 …

静かな興味だった。 少し遠くのコンビニで、偶然見つけた黒い束。 中身は知らなかった。ただ、気になっただけだった。 ……でも、それだけで、充分だったのかもしれない。

カクヨムの｢詩・童話・その他」で週間ランキング2位(2025/03/28～30)。 「わたしのアイドル」コンテスト週間ランキング2位(2025/03/24～30)。 「わたしの…

身体の不調か、心労の災いか、眠ることさえままならない人々は、今日も夢を殺して朝に飛び出す。

この暑さも、いつか物語になる。 三十一首の短歌を副題に綴る、三十一篇の「夏」のオムニバス。 灼けたアスファルト、縁石のぬくもり、病院の待合室、狭いワンルーム、雨の匂い。 「夏な…

母の遺した編みかけのマフラーを、完成させるお話です。 ※1話で終わるのに、完結済みにするのを忘れておりました……大変申し訳ありません。

嫉妬についてのお話です。

観測されるたびに輪郭が揺らぐ。 触れられた瞬間、私は“形”を選ばされる。 本当は── 透明のまま漂っていたかった。 それでも世界のどこかで、 私を地上へ戻す“静かな気配”があ…

人間の孤独を描いた短編。 空っぽの自分と、消えない記憶。 芽を摘み取られた少女の喪失と追憶の物語。 【《水平線純文学＆文芸フェス》参加作品】 純文学作品を読んでいただく機会…

本作は、いくつかの言葉をそっと置いただけの、 ささやかな記録のようなものでございます。 より立派な物語を描くべきなのかもしれませんが、 結局のところ、私はこの形でしか表せないよう…

ガタガタの古いアパートで暮らす、生きる意味を失った一人の老人。 他の住民が次々と去っていく夏のある日、彼は切手を買いにコンビニエンスストアに出かけていく。

ネット活動を主とする、神様のようで正体不明な憧れの作家、向上つばさに呼び出された『僕』が頼まれたのは、向上つばさと名乗って表舞台へ立つことだった。 本当の向上つばさを隠すために、…

男と女が視力についてつらつら話しながら、愛を伝え合う短編です。

　一人の人間、流雲蒼（ながれくも　あお）が歩む半生記。舞台は少し昔の日本。主人公は高校時代に山登りしたり、社会人になってカフェでバイトしたり農場ではたらきながら夢を追い続ける夢追…

なにしでかしても責任取らんくていい十三歳は、ジポッポ日和やねん。 鬱屈した街の片隅で。 ＊唐茄子かぼちゃ名義、「惑星と口笛」主催の文学コンテスト「ブンゲイファイトクラブ７（BF…

コンビニスイーツの過剰な甘さと、ブラックコーヒーの苦み。 そのささやかな感覚から、作家志望の男の思考は思いもよらぬ場所へ滑り出す。 なぜ世界地図は、いつもメルカトル図法なのか。…

親を亡くした姉と妹の崩壊、そして再生の時。

佐倉園香は花村真理子バレエ研究所に通う大学生のバレリーナだ。 小さい頃から通っていた花村真理子バレエ研究所は今年30周年を迎え、30周年記念公演を上演する。 園香は、その記念公演…

今思いかえしても、 何がそこまで質素倹約を徹底する理由だったのかよくわからないのだ。 ただの吝嗇ではあるまい……実際に それが理由で、母はこの家を出ていったのだから 子供の…

「ポンコツ魔王の異世界国家戦略」の外伝スタート。 魔王の独白を恥ずかしげもなく公開処刑。 魔王「狙いはわしの人気アップ😊」 もうこの物語、どこに向かおうとしてるのか誰にもわ…