「短編・短編小説」を含む小説

千春の家の玄関には、いつからなのか、古びた壺が飾ってある。 千春はてっきり骨董品を愛する祖母が飾っているのだと思っていたが、本人も両親も知らないと言う。 驚いた千春は、壺を手に取…

アラームが鳴った。 時計を見ると午前七時。起床の時間だ。 今日は月曜日。また一週間が始まる。憂鬱だ。

　マンホールをこよなく愛する貧乳少女。アメリカからの巨乳留学生。あどけなさが残る幼馴染みが出ます。

孤独に苦しむ少年が悪魔と出会い、ある契約を結んだ。提示された対価の意味がよくわかっていない少年だが、悪魔は次々と契約達成のために少年の知らないところで暗躍し、時には少年の運命すら…

あんたの爪が私のお腹の上で弾けた。聴きなれた音、麻痺した痛み。 私の時間はあの海に取り残されて、枯れていく。

彼の名前は、ゼナス。誰も彼の名前を覚えてはいない。誰も彼を愛してもいない。彼は、ただの人。道端に落ちている石ころ。でも、星を見上げ憧れて無残に蹴飛ばされ、川に落ちた石ころ。どんな…

カクコン10短編、応募作品。 以前にカクヨムで公開していた作品を修正した、 SF短編小説です。 前編、後編の二部構成。 楽しんでいただけたら幸いです。

村長……ではなく、領主の娘クリスが、同年代である十代前半の子どもたちと一緒にゆるーく働く牧歌的ファンタジーです。 どうぞお気軽に読んでみてください。 異世界の辺境、小さな開拓村…

「まほろば水族館へようこそ」 館長の鮫島は丁寧にお辞儀をした。 航平と湊は小学校最後の夏休みの思い出に、海沿いにある廃校を探検する。月明かりに照らされた廃校に忍び込むと信じられ…

残業続きの金曜日、佐藤美咲（28歳）のつま先に不思議な力が宿りました。 思考を読む、未来を見る、時を戻す―10本のつま先それぞれが異なる能力を持つようになったのです。 しかし、使…

私の家は貧乏。五人兄弟で借金がある。どんなに泣いてねだっても、欲しいものを買って貰った試しがない。幼い頃そう悟ってから、私には物欲がなくなった。服は姉のお下がり。食事は二人の兄に…

華やかな街の近くに住んでいるその男はやる気を失っている。 ある夏、男はある感情に出会い自身の過去について既視感を感じてしまう。 チリーン。 あれは…風鈴？ この物語は…

僕は、控えめにいっても、いよいよ大人と呼ばれる歳になり、いろいろあって自分の店を持つことになった。 皆、大人になると視野が広がって、バランスが取りやすくなるものだと思っていたが…

【まだ執筆中なので、一話ごと完成したら随時更新していきます】桃から生まれた桃太郎。誰もが知る童話。鬼が蔓延する島に行き、根絶やしにするという大義名分を掲げ、正義が跋扈し悪を悪だと…

最後の一行で、絶対あなたは驚愕しません。 小さく苦笑します。 そんな短編集です。

江戸時代の初め、鳶沢甚内と言う盗賊がいた。風魔小太郎の下で殺人や略奪を働いていた、もと忍びである。 ところが、風魔集団は幕府の取り締まりにより瓦解し、彼は拠り所を失ってしまう。 …

夜の国に住まう王子、 クラウディウス・ウィル、メーガン。 彼は灰棒姫、カフカーディアに クラウディウスの国に夜をこさせる祈り歌を やめてもらうように頼み込み、 カフカーディアに断…

スパイ一家の末っ子は、本屋で遺体に遭遇する。 被害者はその本屋の店員。 遺体の近くには、角が血で汚れている分厚いハードカバーの本。 在庫整理中の店員が手を滑らせて、運悪く頭に…

雪遊びは好きだけど、その後の片付けが苦手なんだ。濡れて引っ付いた手袋とか。ああ、そうだね。彼女の作ってくれるあったかいココアは好きですよ。たとえ僕のために作ってくれてなくてもね。