「万人向け 海」を含む小説

　遠い昔海だったこの場所には、ビルが覇を競うように生えている。そんな都会の喧騒からぽつりと離れたこの公園は、俺にとっては唯一の安息の場所だった。 　翡翠色の池の畔にポツンと佇む、…

結婚六十年。 辰吉は、妻、冨美子の最期を涙で看取った。 その大きな喪失感は、辰吉の時を止めてしまったようだった。 そんな姿を見かねた息子の茂俊が、辰吉の外出を促す。 重い…

海に浮かぶ小さな一つの島。 中央の都市からはもちろん、周囲の都市からもそこそこ距離はある。 その島へ隠遁の賢者を探しているという一人の青年・シオンが立ち寄った。 島の入り口にいた…

この街は一年中毎日欠かさず雨が降り続く。そうしないと僕らは生きてはいけない。雨に濡れいていないと僕らは死んでしまうのだ。 雨の降る街の、少年と少女のお話。 前後分けていまし…

　海無し、キラキラした建物もなし…みわたせば山と田んぼしかない未開拓地の千寿村には、子供なんて数いない。 　とあることでそんな村は買収待ったなしの危機に直面することになる。 　ど…

タコのアマチュア研究をしてきた私と、不幸ながら私に捕まったタコ達との観察・生活の日々。 専門的なことは全然書いていないけど、不思議とタコに興味が湧く、面白い生き物だなと感じていた…

山生まれの村人が、ずっと海を目指して歩くだけの話です。

「なりたい自分とは、いったいなに？」 果ての海に浮かぶ島、エイネー国。そこでは、アベドと呼ばれる民が暮らし、独自の文化を築いていた。 とある夜、海から生まれたアベドの男の子、ナ…

そのマンションには注意事項が3つある。 1．20時以降のエレベーターの使用はお控えください。 2．ゴミ集積所での喫煙はご遠慮ください。 3．夜間の騒音は住人のみなさんのご迷惑にな…

海上都市に住む少年・未木は友人・咲来とともに夕焼けの丘で都市の再生と未来について語り合う。環境が変わったことに戸惑いを感じる未木の悩みは晴れるのか。

ぶっきらぼうな長髪男と明るい女の子が旅をする話。 ——貴方の絶望に共感はできないけれど、決して否定もしない。好きに生きよう、お互いにさ。

あらすじ 【定年を迎えた魔法使いは魔力を返納するものとする】――魔力返納課・第三係に所属するフロアは、定年を迎えたお年寄りから魔力を返還しようと試行錯誤。 【魔王】討伐が古い…

　地球最後の人類が生き残ろうとするとして、遺伝子工学だけが残っていたらどのような最後を迎えるだろうか？ 　地球最後の人類の一人、緑は毎日朝日を浴びるのがやめられない。もうこの地…

―お品書き― ◇朧月 月が雲に隠れた夜。影が闇となり、闇が影だったことをわたしは知る。 ◇海へ 汚れた両手。晴れ渡る心象風景。迫る生き地獄からの逃亡は、少女をどこへいざなうのか。…

短歌を気ままに詠んでいきます。 ※この作品は第1回カクヨム短歌・ 俳句コンテストに参加しています。

生きづらさを感じている女子高生は、ある日、不思議なブックカフェをみつけます。店員に勧められた絵本を開いてみると、目の前に海が広がり、物語の中には素敵な出会いがありました。 「夏…

1000文字以下の短編小説。誰もが味わうあの苦い思い。主人公の『私』を中心に描く才能の世界は時に美しく、時に残忍。『この海の底まで』に続く、和田真央の完全新作。是非とも御一読くだ…

南の島から懐かしい街に帰ってきた遥と海斗。樹梨亜や夢瑠、家族と再会して嬉しいけれど変わったことも色々あって戸惑う遥。 一方の海斗は…遥との将来のため、ロイドとして生きる事を決め…

2歳の甥っ子がうちに来ています。かわいく利発で私にむやみになつき、今日(2023.5.24)も私が玄関でただいまを言った瞬間駿馬のような足音で駆け寄ってきてくれました。 なつき…