「#掌編」を含む小説

『ポストマン』は翼の生えた配達員だ。 今日、彼は忽然と人が消えたという城下町へ、一通の手紙を届けにやってきた。 ――百年彼方の女王、アヤへ贈る。 灰色の城下町に、その手紙が届く…

服役中の男と弁護士の、事務的な書簡のやり取り。 離婚調停のために始まった往復書簡は、 やがて十年前の失踪事件へと静かに触れていく。 法では裁けない罪を、 言葉だけで追い詰めていく…

火事で焼け落ちた実家の跡から見つかったのは、いないはずの動物の焼死体だった。

2019年あたりに胃カメラを飲んだ話。カスのエッセイともいう。 monogataryに掲載していたものです。 ちなみに今のところは胃もおかしくないみたい。

可笑しく首をひねる扇風機も、草木にとまって愛を囁く虫たちも、その鈴の音に耳をすまして、静まりかえっている。

停まらないバス停の待合所には、セーラー服を着た骸骨が座っていた。

妻が失踪したという旧友の住む屋敷の庭には、それはそれは、真っ赤な楓の樹が生えていた。 柴田恭太朗様主催の企画『三題噺 #117』参加作品。 お題は「庭」「失踪」「腕」です。

企画で書いた短編その他をあつめました。 詩、掌編、キャラ設定、何でもありの短編集です。 現代ドラマ多め、男の娘多め。

引っ越し初日、ストリートビューで自宅を検索してみると、不審な女が写っていた。それから毎晩、異様な夢を見るようになる。

ギャップ萌えを嫌悪する「私」の話。

若い女性二人が心霊スポットで有名なあるダムに肝試しへとやって来た。 彼女達を襲った恐怖体験とは……。

排他的な島に訪れた災厄。

第二回偽物川小説大賞参加作です　生きていき、やがて死ぬことについての掌編です

　壊れた傘を拾った。さっきの夕立で壊れたのだろう、傘の骨が一本折れている。 「どうだい？　そこのゴミ捨て場までデートしないか？」 　傘にそそのかされた僕は、仕方なくその傘を持っ…

ある女性の独占欲の話。

ファミコンのマリオは常に横を向いていた。彼の目は、横顔に2ドットの一本線で表されるが、4ドットの二本線になる瞬間がある。死ぬ時だ。四肢を広げ、断末魔の表情を見せる一瞬だけ、マリオ…

佐伯裕哉は現在高校2年生。そんな学生が『やり直し』について、いっちょ前に考察しますw

さぁ、次はどんなものを持って帰ろう。 「ただいま」とお父さんの声がする。ひさしぶりに会えるのがうれしくて、わたしはげんかんへと走っていった。今回はどんなおみやげなのか楽しみだなぁ。

東京出張の夜、温かいものが欲しくて入った博多料理店で、ショートカットの女性と出会う。 人懐っこい笑顔の奥に、どこか虚ろな気配をまとった彼女は、食事を避け、香りだけを身にまとうよう…

２１、２２歳ごろの作品。「１０月の少女たち」あたりの影響を受けてます。書いた時には意識してなかったけど、今読むと、これはおねショタのジャンルに入るのではないかと思った。