「桜とともに」を含む小説

入学式の日、体育館の前で立ち尽くしていた私に声をかけてくれたのは、白波晴くん。 それから三年間、私は彼にずっと片思いをしてきた。 気持ちを伝える勇気がなくて、何度もチャンスを逃し…

橘絵梨花は、一度死んだ――と思われた。 しかし、その身体に宿っていたのは、未来から来た“別の私”。 絵梨花の願いを叶え、家族の絆を取り戻す中で、義兄・紫苑に恋をしてしまう。 期限…

　いつか、私の想いがあなたに届きますように──── 　変わったっていい。 　ただ、そのままのあなたでいて。 　そして、たまに思い出してほしい。 　私達が、どうして歌を残した…

受験のプレッシャーで睡眠障害を患った、都立春宮（はるみや）高校の一年生、吉村唯（よしむらゆい）は、入学式当日、電車で眠ってしまい、遅刻する。 校門を乗り越えると、そこには同じく入…

どれだけあなたを好きになっても もう二度と触れることはできない どうしてあなたが生きているうちに あなたと向き合おうとしなかったのだろう 過去に囚われたまま現在（いま）…

天高く、馬肥ゆる秋。私は過去最高潮に太っていた。 まわしを身につけて、玉桜という四股名をもらって。 力女と呼ばれる、裸同然の女たち。 意地と意地を賭けた戦いの舞台は、丸い土俵だ。…

津桜学院の夜間定時制に通う彼らの避難訓練は九月と二月に行われていた。 卒業間近の避難訓練にやる気が出ず、適当に終わらせようとしていた彼らは自分たち四年生だけが校舎に閉じ込められて…

　中学2年生の物部雪芽（もののべ　ゆきめ）はハイスペックな彼氏を求めて夢を見ている純粋な女子。そのわけは、クラスの女子友達は高校生の男子や同じ学校の端正な顔立ちをした男子生徒を彼…

桜にまつわる短歌 『今週は七分咲きですが、来週には満開を迎えるでしょう』桜の見頃を伝えるニュースはいつだって儚くて尊い、ただそれだけのこと。

学校で嫌われている元不良男子高生、塚内タケル。義理の弟である駿人の将来のためアルバイトと学生生活を熟すある日、他校生に絡まれている謎の美少女を助ける。他校生はタケルを殴ってから中…

前世でプレイしていた乙女ゲーム『桜雲封火伝ーー想いは雲の彼方へ』に転生したすずめは、父宮を亡くしたあと、ゲームの主人公である火封じの巫女候補付きの女房となった。 巫女候補につい…

泉矢守琉(いずみやまもる)は七津坂学園の新聞部に所属している。活動がほぼなく暇をもてあましていたあるとき、高等部生徒会長であり友人の桜橋解子(さくらばしときこ)が守琉をたずねてき…

私は伊集院桜子。普通を愛し、普通に愛されぬ者。突然だけど、普通ってすごくない？漫画や、小説で普通は、嫌だ！とか、普通から卒業するんだ！って言ってる人をよく見るんだけど私は普通が大…

　この世は常に視えぬ脅威に晒され続けている。 　人にあだなす怪異、あやかし、邪神の復活を目論む異能者達──それらと日夜戦い続ける者達がいた。 　皇紀二六六七年、日本皇国。大學の神…

春を告げる花が咲いたら、この契約結婚は終わり。 夫は他の女性を追いかけて家に帰らない。私はそれに傷つきながらも、夫の弱みにつけ込んで結婚した罪悪感から、なかば諦めていた。体を弱ら…

　高校に進学して間もない夏目愁也の前に現れたのは一人の家庭教師。 　家庭教師如月美桜は最初の授業としてこう問うた。 　　「人って何だと思う？」 　突然の問い―――結局答えは出ない…

眠りにつけば夢に落ちる。落ちて、落ちて、堕ちた先でいつもあなたは待っている。 それは果たして、前世との逢瀬か、生死のしがらみか。 どうして、などという無粋な言葉でこの空間を壊さな…