「短編・短編小説」を含む小説

お金がない年末のこと。 義純（よしずみ）は派手でチャラい男に出逢う。 そいつは自分のことを「運命のかみさま」だと言って、義純にいろいろと食べ物をおごらせる。 そいつの目的はなんな…

私は幼かったあの日、あの公園で、アンドロイドに私の花の名前を与えた。 アンドロイドの名前はミモザ。 私のミモザ。 私が恋したアンドロイド。 さぁ駆け落ちしましょう。

「オゾン生贄」とは、地球のために死ねる名誉あるお仕事のこと。 今よりも、地球温暖化がずっと進んだ未来では、ボロボロのオゾン層を修復するため、「オゾン生贄」という職業が人気を誇って…

　隣の世界のオオサカで殺し屋を営んでいるテルは、今日が相方だったハルトの命日だったと気づく。少し面倒だとは思いつつ、墓参りの準備をするテル。住んでいるハイツから出て大家さんと少し…

　國本蘭は同級生の三上晃司に騙されて、レスリング部の敗戦男子の陰毛を剃ったのだが、能勢守はそれよりも前から職業として、主に水商売の女たちを客として、陰毛の形を整える仕事をしていた…

通学路で同じ高校の制服を着た少女を見かけた。しかし通学時間ではないし、様子がおかしい。俺が学校をサボっていなかったら運命は動き出さなかったのか？ ――しかし、何で詩なんだ。人生に…

人間観察が趣味の主人公は、一見普通の文学少女の読んでいた本の中身を知ってしまう。それは白紙の本だった。なぜ彼女はその奇行に至ったのだろうか。

電車で出会った、普通すぎるおじさん。 なのに、その装いが妙に引っかかる。 くだらない違和感を追いかけていくうちに、 俺は＂おじさんになる＂という現実を突きつけられる。

道の終わりに、ひとりの少年が立っていた。 名前のない景色、描かれかけた地図、そして風の中から届く誰かの声。 止まっていた物語が、再び動き出す――。 “遠回り”の中にこそ、人…

足の小指をぶつけただけなのに、 この部屋はやけに静かで、痛みは長引いた。 慣れてきた一人暮らしと、 まだ馴染まない孤独の、そのあいだで。

これは、徹子の部屋の伝説の神回の実話小説である。IQが20違うと会話にならないという研究をしたゲストと徹子さんは、もう会話が噛み合わない。果たして、このゲストと徹子さんのIQは上…

　僕はかつて天才だった。 　創造性は果てしなく、いつまでも執筆できたし、書いた作品を読むと息つく暇さえないほどに没頭できた。将来は小説家になると、そう決まっているのだと盲信して、…

　有名美容室のインターンだった蘭は、ディレクターに遊ばれて美容室を退職して無職。 　高校の同級生の三上晃司とバッタリ会う。高校時代から付き合っていたが、社会人と大学生という環境の…

彼に別れを告げられた『あたし』 涙の雨と共に溢れた思い出が 『あたし』のナニカと地を固める

くだらねぇ人生だ。 毎日決まった時間に起き、決まった電車に乗り、特に話も合わねぇ奴等と仕事をし、クタクタになりながら帰宅したら生産性のない動画やSNSを観て、刺激も感動もない一…

「実はずっと前から癌でした。あと余命半年らしいです」 新進気鋭のアーティストの衝撃的な発表から少し経ったある日、彼女のチャンネルでゲリラ配信が行われる。 若くして死に直面したアー…

人の想いが結実するところに、やや人から外れた容姿や超常の力を持つ者が存在する。 普段人間に見ることはおろか感知されることもない存在ながら、人の如く喜び、悲しみ、憂い、迷い、怒る。…