「短編/純文学」を含む小説

続けるか考え中。

オフィスでは「道化」を演じ、必死に周囲に合わせてきた私。だが金曜の夜、SNSに投稿された一枚の写真が世界を一変させる。私だけが呼ばれていない飲み会。裏チャットで見つけた「迷惑」と…

　25××年、人類は新種の細菌によって絶滅の危機に瀕していた。 　これは罰なのかもしれない。 　意味もなく同種で殺し合い、くだらない理由から憎み合い、破壊と殺戮、戦いと憎悪、それ…

現代、過去、未来。 十人のまったく異なる人生が、“死と自由”というただ一つの線で静かに繋がっていく。 受験に押し潰される学生。 名誉のために死ぬ武士。 責任に壊されていく政治家…

大学生の入間はある日、彼女の葉子から「人の心がわからないんじゃないの？」とフラれる。ずっと目を背けてきたことではあったが、彼には「恋愛」というものがよくわからなかった。恋愛ができ…

弱っていく姉の背を追いながら、妹は雨の中を歩く。金魚の赤い光と、透明な傘と、そして青い傘と。そして、ふたりの最後の朝へとつながっていく。

女子高校生のリコは、彼氏を寝取られた。

少年は、盗人の少女を路地裏の角に追い詰めた。

女子高生の友見は、小学生からの幼馴染の望見と、高校からの友達の水見と共に遊園地に遊びに来ていた。ジェットコースターを乗る前、冒険嫌いで『望見家』な望見は乗るのを遠慮し出す。仕方な…

男が美術館の展示を見ていると、その絵を書いた女性が話しかけてきた。

山間の温泉宿を訪れた琴子は、雪の降りつづける庭と小さな池を見つめながら、娘を残して逃げてきた自分の内側が、ゆっくりと溶けていくのを感じていた。

この世には、理由が必要な物事とそうで無いものが存在する。 これは後者のはなし。

娯楽小説の溢れた世の中では、私の思考はいささか異端らしい。私を認めてくれるのは、小説の中の登場人物ばかりである。 私が美しいと思うものをかたちにするために書き綴る記録たちを投稿…

　私の本名は、逃げ場のない呪いのようなものだった。 　借金の督促、親の湿った溜息、かつての恋人が吐き捨てた「中身がない」という呪詛。 　それらすべては、私の名前を目掛けて飛んでく…

『僕』には友達がいない。 『僕』の日常と、『友達』についての話。 だが、『僕』には友達がいない。

檻の中に居た。 自分の無才を自覚し、ただそこに居た。出ようとも思わない。 「君には、僕に無いものがあって羨ましい」 この言葉で僕は囚われた。 しかし同時に檻の中は心地よく感じられ…

何もない日々をただ消費していた僕は、ある日ひとつの音楽に心を奪われた。 人生で初めて、魂震えるほどの喜びを知った僕は、その歌を歌った彼女の事をどうしても知りたいと思う。 けれど─…

平凡で長所もなく、特に目立たない小学六年生の少年、荒巻（あらまき）レン。彼は夏休み前のある日、偶然かつてのクラスメイトである長内（おさない）ユズハに帰り道声を掛けられる。 仲を深…

普通じゃない少女時代を過ごしたわたしを癒してくれるのは、生き別れた母親でも、育ててくれた厳格な祖母でもなくって、薫ちゃんだけ。

雪が降りしきるクリスマスの午後、売れないセールスマンは公園でひとりの少年と出会う。 その少年の言葉をきっかけに、彼は幼い夜に見た“迷い星を集める不思議な少年”との出来事を思い出し…