友達がいない。

ゆみゃか

僕には友達がいない。

僕には友達がいない。


まるで広葉樹林の中に1本だけ生えた針葉樹のようだ。


だが、僕はそのことを悲嘆に暮れたことは無い。

「まるで自由だ。」


そのような言葉を零したところで、否定の声も、肯定の言葉すらもない。


場所は教室窓側最前列。


人が多くいるはずなのだが、まるでひとりぼっちのようだった。






僕には友達がいない。


まるで野良猫の集会所に迷い込んだドブネズミのようだ。


だが、僕はそのことに怖気付いたことは無い。


「塩素の香りが強くてメシも食えたものではない。」


はっきり言ってトイレ飯とはクソである。


塩素の香りに隣に人が来ないことを祈る謎の緊張感。


僕には耐えられたものではなかった。


「次からは教室でいいや...」






僕には友達がいない。


まるで自分だけが呼ばれなかったクラス会の気分だ。


だが、僕はそのことを嫌がらせだとは思っていない。


「真のコミュ弱を舐めないでいただきたい。」

SNSとは陰キャの戦場ではない。


SNSとは陰キャのフリをした陽キャの生息地なのだ。


『俺の主戦場はネットにあるからリアルで友達がいなくてもどうでもいい。』


まるで嘘である。


真の陰キャはネットでも陰キャである。


だから、


「僕には友達がいない。」

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