2024年、多くのカクヨムユーザーが思わず時間を忘れて一気に読んでしまった作品を特集でご紹介します。今回のテーマは「恋愛完結作品」。悪役令嬢、溺愛、追放、駆け落ち――さまざまな恋模様が描かれた、心揺さぶる完結作品が多彩に揃っています。
年末のひととき、新たなお気に入りの恋愛物語を見つけて、ぜひ結末まで一気読みしてみてください!
主人公のアンジェリカ・ブランシュ。彼女は魔導研究所に勤めており、日々その業務に追われていた。忙しいながらも仕事にやりがいを感じながら過ごしている彼女。
しかし私たち読者は彼女の元に届いた一通の手紙から、今までアンジェリカがどんな生活を送ってきたのか知ることになる。それはあまりにも酷く残酷な内容で。
そんな中、アンジェリカは古文書を解読するという重大な任務を受ける。このことをきっかけにヴィクトルとの生活が始まるのだが……
今まで自分が何を好きか考えたことがあっただろうか。普段何気なく好きと思っている気持ちが愛おしくなります。
この物語は純粋で素直な気持ちが胸を刺す、そんな作品です。
そしてヴィクトルさんがイケメン過ぎて。お顔はもちろんのことその言動が、もう……
キュンキュンが止まりません故に、顔がニヤけます。電車の中で読むことはオススメしませんので、皆様気をつけくださいませ。
そんなキュンキュンな甘い描写もありながら、作品の奥底にはずっと不穏な雰囲気が漂っています。この何が起こっても可笑しくない状況に皆さんもきっと心を掴まれるはずです!
資金援助のため、駆け落ちした姉の代わりに悪辣と噂される公爵へ嫁ぐことになった主人公レイチェル。
結婚式では新郎の公爵に「愛は誓わない」と言われ、新居=別邸で侍女たちにも放置されるという冷遇ではあったが、レイチェルはむしろ結婚前の忙殺されていた生活よりは快適、と自分でなんとか家事をこなし、1人気ままな生活を楽しんでいた。
しかし、その冷遇は召使たちの謀であったことが公爵ヘレスに知れ、公爵はレイチェルを本宅に迎え、優雅な生活になったと思ったら今度は駆け落ちしたはずの姉が登場し波乱に巻き込まれることになる。
行き違いはあったが実際の公爵ヘレスは不愛想ではあるが決して悪辣ではなく、不器用ではあるがレイチェルをだんだん愛し初めているところが非常に萌える。
奔放な姉に振り回されるしっかり者の妹と、実は愛情深いが表には出ない夫とのラブストーリー……と思いきや、夫の弟が実は曲者で、2人の結婚の妨害策略に翻弄される展開は緊張感に溢れている。
全体的に読みやすく、レイチェルの大物感は読んでいてくせになる。オススメの作品である。
伯爵令嬢ヴィオラは侯爵家へ嫁いだ。
しかし、夫で侯爵のルシウスはヴィオラを妻として愛さなかった。
玉の輿のはずなのに、ヴィオラは辛い日々を送っていた。
そんな不幸なヴィオラの心の支えは、もう亡くなってしまった護衛騎士エデン・アーヴィスとの思い出だけ。そんな彼女のもとに、ある日エデンの魂がもどってきて――
エデンがめちゃくちゃカッコいいです!
なにがいいって、亡くなったのも愛するヴィオラのためだし、魂だけになってもヴィオラのために行動するんです。もう、彼のヴィオラに対する愛が深くて……キュンとしました(〃ノωノ)vV
こんなにヴィオラを愛してくれるエデンには幸せになって欲しい!!!って思ってたら、なるほどな展開が待ってて、それにも胸アツでした♪
それに、ヴィオラの名ばかりの夫のルシウスに待ち受ける結末も良かった!
ルシウス、なかなかのくそ野郎なんですよ。そんな彼の悪党ぶりが露見してざまぁがしっかりと決まったときは、本当にスカッとした気分になりました♪
恋愛ファンタジーにほしい要素がしっかりと入っていて、予想外の展開もある面白い小説でした☆
聖女候補として、また貴族令嬢として確かな地位に居た主人公が、あらぬ罪で蹴落とされ、そこから這い上がる物語です。
この主人公ベアトリスは生来、負けん気が強く、他人への当たりも強ければ素直に謝罪も出来ない女性です。
心無い罵声を浴びせつつ、悪い事を言ってしまったと陰で反省する事もしばしば……。
それが理由で自ら窮地を作ってしまう場面もあり、それでも負けん気を発揮して、悲劇のヒロインを気取ったりしません。
そのへこたれない姿、常に前向きで、時に周囲を振り回す姿が格好良い。
優しく清楚、守られる側ではないヒロインを求めるなら、本作の主人公に満足できるでしょう。
最終的には汚名を晴らし、ざまぁする展開となりますが、道中しっかりとそこへ至る線が引かれています。
最後まで満足して読める作品ではないでしょうか。
護られるだけのヒロインではなく、自ら体当たりして打開しようとするヒロインを求めるあなたに、是非おすすめしたい作品です。
身代わり結婚させられた商人の娘は、なんと、国境の辺境伯の元へ嫁ぐよ。
ところが、このヒロイン、「懐かしい都に帰りたいわ」と嘆き暮らす様な玉じゃない!
結婚相手の意識を変え、領地を作り替え、国を作り替え、権威や秩序をブチ壊して行くよ。
クセツヨヒロインの暴走は止まらない!!