新年あけましておめでとうございます!

年明けまでに全部読むぞ! と本を積んでいた読者さま、山は減りましたか?
年明けまでに10万字超えるぞ! と意気込んでいた作者さま、文字は増えましたか?

はい。出来ても出来なくても良いんです。
大切なのは「目標を持つこと」ですよね!

さて、カクヨムユーザーのみなさまは新しい作品をどうやって探していますか?
今回はちょっと新しい試みとして、2018年8月から導入された「レビューいいね」に注目!
2019年に「いいね」を多く獲得したレビューから、注目の作品をピックアップしてみました。

気になったら作品のフォロー、そして共感したレビューには「いいね」もお忘れなく!

ピックアップ

和と洋、リアリズムとファンタジーが交錯する、唯一無二の物語

  • ★★★ Excellent!!!

人知を超越した力を持つ「英雄」に立ち向かうのは、国を失い、刀一本を背負い彷徨う「人斬り」。
言葉も通じない異国で、何を目的に、何を欲して戦うのかも定かでない状況で、滅び去った倭国の男・トシは満身創痍になりながらもただ眼前の敵に食らいつきます。

余りに泥臭く、決して華麗とは言い難いその戦いぶりはしかし、何故だか見る者を惹きつけてやまず、一国を消し去る力を持った強大な敵にすら打ち勝ってしまいそうな、凄まじい説得力を持って読み手の心を打ちます。

手に汗握る展開の連続の末に一幕を降ろしたこの「英雄殺し」という物語は、まだまだ続くのでしょう。

皆さんも、是非ともこの唯一無二の世界に触れ、「英雄殺し」の生き様を最後まで見届けてみませんか。

文字だからこそ心の染み渡る世界観

  • ★★★ Excellent!!!

物語はとても良く練られていて、読後感は切なく祈る気持ちにさせられます。
伏線の回収が始まるあたりから、悲しい物語が見えてしまうのですが、それでも「どうか想像どおりにならないでくれ」と祈りながら一気に最後まで読んでしまいました。
他の方がレビューなさっているように、文章の表現力が繊細なのは間違いないです。けれども、それがビジュアルとして成立するかというと、おそらくそうではないと私は思います。
宝石、瞳、髪、肌の色。そして匂い。文字だからこそ、巧みに心理描写やアンビエントとして機能し、読者の心の中であくまで想像としてビジュアライズされる。それがすごくうまいし、美しい世界へ引きずり込まれていきます。
一方、セリフはストレートな表現が多いです。それが物語にテンポの良さと悲劇の中のカタルシスをもたらしています。それでいて、非常に示唆に富んだ言葉が多く、作者の知識の深さと広さを感じます。

素晴らしい作品でした。

読みやすさのアッサリ感+教科書殺伐のガツン感のWスープによる深い味わい

  • ★★★ Excellent!!!

この殺伐百合がスゴイ!とツイッターでこの作品を見かけ、周囲の方(TL)は「素晴らしい」「良すぎる」などの称賛を受けていました。
ひねくれゴミキモオタDXチョモランマ盛りの私は、「ヘヘッ、最近色々殺伐百合を食しているワイをうならせられるかな!」とクソ生意気1000%な気持ちで1話を読みました。そして1話を読み終えた頃には、あまりの作品の素晴らしさによって牙が抜かれたキモオタが転がっていました。
「自分がいかに井の中の蛙だったか」と言うことを反省し、このままではいけないと、己の精神鍛錬と殺伐百合への感謝のために、正拳突きを会社の柱に行っています。会社爆発しないかな!!
真面目なレビューをすると、全5話と読みやすい文量に対し物語は読み応えのある内容でした。初めて殺伐百合を読む方に是非おすすめです!

越えられない自意識の壁

  • ★★★ Excellent!!!

顔と体はいいけど口が最低最悪の男とは絶対に恋人にならない!(でも寝た。二回。)


人はそれをフラグと呼ぶ。
フラグは回収されるのが運命なので、このお話でもきっと順当に桃香は柊くんと付き合うことになるんだろうなあ。
と、思っていたのに。

主人公、桃香さんは一言で言うと「自意識過剰女」である。
顔が至って平凡な女(仮名:花子)が「私はすごく美人だから男たちがみんな良くしてくれるの!」と、言っているのと逆バージョン。
花子の顔は別に良くない。なのでみんなたぶんそこは気にしていなくて、だから花子が男たちにちやほやされるのには他の要因があるはずだと、容易に考えうる。
桃香も同じであり、彼女は自称ブス(?)を化粧で取り繕っているものの、うまくいかないこと(主に異性関係)に対してはすぐに「どうせ私は顔(+@)が」と帰結させる。この物語を読み進める読者がおそらく全員「そこじゃない!そこじゃないよ桃香さん!」と突っ込みたくなるだろうこと間違いなしの自意識過剰女だ。

だが花子は自分を美人だと思って疑わないし、桃香も然りで原因が顔ではないことを考えない。
読者である私たちには自明のこととして桃香の認識の誤りが見える。彼女の取るべき行動の、おそらく正解もわかる。

けれど、人が、自分に対する認識を客観視すること、自分にとって必要なものを正しく見つけることは、それはそれは難しいのだ。これも、誰もが知っているだろう。

自意識の壁。

「わたし」を取り巻く諸々(生育環境とか、思想とか、思い出とか、人間関係とか)によってうず高く積み上げられたこの壁が、現実を、正解を、跳ね返してしまう。

桃香の前にはいつだってこの高い壁がある。この壁がうまくいくはずのなにもかもをだめにする。

柊くんはそれをよじ登って乗り越えようとしてくる男だ。彼はこざっぱりして歯に衣着せぬ物言いの妙に強い男で、読者としては痛快だが身近には絶対にいてほしくない。そんな柊くんを突き動かすものの正体は、この物語本編ではよくわからない。推測でしかないが(男としての)本能ではないか。
なので彼を拒む桃香と柊くんの恋のバトルは、自意識VS本能なのである。と、私は読んだ。

桃香の自意識の壁は厚く高い。容易には壊れないし、越えられない。もしかしたら桃香は永遠に壁の向こう側かもしれない、とさえ思わされる。
これを越えようとする努力は、最初は柊くんの側からのみだった。でもいつからか桃香が手を伸ばそうとしはじめたとき、いつか壁の上で手を取り合うことができるかもしれないと私は希望を持った。

壁は容易には壊れない。でも桃香の伸ばした手は決して無駄にはならない、いつかふたり手を取り合って壁を越える日が来るかもしれないと願うばかりである。

ただ、その壁、ぶち壊すとしたら例によって柊くんだと私は思うけど。

ふざけているようで、綿密に練られた作品

  • ★★★ Excellent!!!

 光線銃を拾ったJKが魔女になって、実体化したオカルト現象を退治する話。

 JK視点特有のふざけた言い回しで読者を煙に巻きつつ、オカルト設定はしっかりと細部まで作り込んである。
 でも視点はJKだから、話半分しか聞いていない。

 JKも無双とはいかないまでも、知恵を絞り伏線を回収し、脅威を退けていく。

 素人魔女であるが、説明などに文字数を割かず、軽快な切り口によってノンストレスに進んでいく。

 JK視点に魅了されたなら、一気に読んでしまうこと間違いなし。