条件は「30歳以上の主人公」! 一点突破でデビューを目指しましょう!
488 作品
このたび「30歳以上の主人公」作品というテーマでコンテストを開催させていただきましたが、予想以上に様々なジャンルのたくさんのご応募いただきました。誠にありがとうございます。
コンテスト規定を満たした作品には、すべて目を通させていただきました。主催は「富士見L文庫」ですが、レーベルの枠を超えた形で書籍化を考えたいという意味も込め、特別賞受賞作品が多くなっております。
各受賞作品がどのような本になるか、楽しみにしていただければと思います。
富士見L文庫編集部
考古学者の田辺は防衛省に務める旧友から奇妙な遺跡の調査を依頼される。困惑する田辺と共に集められた6人の科学者は遺跡で未知の物体と対峙することになる。そこで7人の科学者達は選択を迫られる。各々が信念を持ってした選択。そして選択から生まれた新しい世界は加速していく。しかしその世界は地に着いたものだろうか? 再び集まった科学者達は己が選択の正しさを実証するために立ち上がる。
サウナと水風呂と休憩所のベンチをこよなく愛する温浴施設限定の安楽椅子探偵、櫓竜太郎(60)。
寒いと膝が痛くて推理とか無理ですレベルの冷え性爺ちゃんが、サウナで温まり、水風呂で冷やされ、ベンチで休憩することで、華麗に健康状態と謎をととのえる!
キャッチーなキャラミスで、「サウナ×ミステリ」という組み合わせが面白かったです。
安楽椅子探偵として特化させると、よりキャラが立つと思います。
私の父は、冴えないサラリーマンです。
お母さんを亡くし、男手一つで私を育ててくれました。
でも、私は知っています。お父さんは、お母さんが死んでから、ずっと心で泣いていることを。
お母さんが死んで10年、私は16歳、お父さんは38歳になりました。
そして今日、私とお父さんは、交通事故で死んでしまいました。
でも、私とお父さんは······生きています。
異世界に転移し、神様からチートな能力をもらったのですが······お父さんが神様に望んだのは、バイクでした。
私みたいな『大魔導師』じゃなくて、異世界に広がる大草原をバイクで走ってみたい、そう言ってバイクにしたんです。
でも、本当に驚いたことがありました。
私のお母さん、お父さんの奥さんは、日本で亡くなってから、この異世界で転生して生きているというのです。
これは、妻を失い立ち直れない父と、そんな父を見て育った娘の、転生した妻を探す旅。
異世界でハーレーをとばす父親と、その娘のロードムービー風な物語がよかったです。一生懸命妻を探し続ける主人公も好感が持てました。
山あり谷ありな冒険が、もっと読みたくなりました。
主人公のキャラクターに、とてもインパクトがありました。正攻法ではないお仕事ものというのも面白かったですし、同級生との距離感が徐々に変化していく様子もよかったです。
もっといろんなバリエーションの事件も見たいと思いました。
人類圏の東端に位置する灰の街。
そこでは昼夜問わず灰が降り注ぎ、人々の生活を脅かしている。
そんな街を行くレインコートを着た二つの影があった。
一人は男、もう一人は異形の少女だ。
この物語は、そんな二人が街中のSFグルメを食い尽くすお話である。
(――というのは実は嘘で、実際は薄暗い殺伐とした世界でエージェントとして生きる二人が、ごはんを絡めて信頼を深め、一人前のバディとなるお話です)
一話完結。短編集です。
一風変わったグルメものというだけでなく、SFの設定がきちんと生きており、それぞれのバディやキャラに奥行きを感じました。
短編形式で読みやすかったのですが、もう少し各話に厚みを持たせてもいいかもしれません。
善悪に惑わされない、純粋な心を持つ特別な力を持つ小学生少女の存在が物語を引っ張っていました。
「科学喫茶」があまり生きていなかったところが残念です。現代ホラー的なカラーをもっと出すといいと思います。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、
改めて深く御礼申し上げます。
「オーバー30歳主人公コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
講 評
レーベルとしてはあまり刊行例のないSF作品ですが、壮大な設定と謎解き要素に惹かれました。エピローグがとても印象的で、ぞわっとする余韻を残す、見事なラストでした。あのラストをぜひ皆に読んで欲しいという気持ちを込め、大賞とさせていただきました。