異世界アスリート

　大隈竜鬼（おおくまりゅうき）は、膝の怪我や才能の限界を感じたことから、サッカーをやめてゲームに没頭していた。

　ところが体育の授業中に頭から転倒し、異世界転移をしてしまったことで、〈竜狩〉と呼ばれるスポーツを目にする。

　それはまるで、ハンティングアクションゲームのようだった。立体的に投影された竜を、プレーヤーたちが武器や魔法によって討伐していくゲームが、異世界ではスポーツとして扱われていたのだ。

　オオカミ・オウガという10歳の恵まれた肉体に、アクションゲームで培った分析力が組み合わさったとき、オウガの竜狩選手としての才能が開花する。

　だが超現実的思考の彼は迷っていた。本当に自分はプロになれるのか。本気でプロを目指すべきなのかと。

　かつてプロサッカー選手を目指していた竜鬼は…続きを読む