概要
記憶は消えても、愛は巡る
『竹取物語』その後――
月に帰ったかぐや姫は、
記憶を消されても地球を見ては涙を流していた。
彼女に恋をした美しい少年は、月の着物に秘められた真実を知る。
そして二人は、月を離れ地球へ――運命に導かれた愛の円環を描く物語。
月に帰ったかぐや姫は、
記憶を消されても地球を見ては涙を流していた。
彼女に恋をした美しい少年は、月の着物に秘められた真実を知る。
そして二人は、月を離れ地球へ――運命に導かれた愛の円環を描く物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!理由のない涙、名前のない感情、ファントムペイン
音も感情も、波だ。
静謐な月の世界には、音も感情も、時の流れさえも波立たない。そこは「静かの海」。鏡のように凪いだその世界に、ぴとんと落ちるひとしずくが、静かな波紋を広げていく――本作は、その瞬間を描いた物語である。
舞台となる月の世界は、変化や干渉を極端に排した場所として描かれる。均された静けさの中で、ただひとつ例外として存在するのが、かぐや姫の涙だ。その涙は、感情そのものを語るのではなく、感情が生まれてしまった「痕跡」としてそこにある。だからこそ、物語は大きく叫ばない。代わりに、触れてはいけないはずのものに、そっと触れてしまったときの揺れを、丁寧に追っていく。
音のない世界に落ちた一…続きを読む