ひしひしと伝わる恐怖がいいですね
こうひしひしと伝わる言いしれぬ恐怖といいますか、そういったものを表現が巧みだな…と。読者を引き込む筆力はさすがです。
もういつデビューしても良いぐらいの。全体的な能力ステータスが高い。会話のキャッチボールから地の文の雰囲気の作り方、知識もあり十分以上な話の展開。はよ受賞しろ('A`)と思います
迷って辿り着いた篭目村は、静けさの裏に薄いざわめきを潜ませている。屋敷に集められた人々の素性が交差するほど、村の空気は見えない重さを帯びていく。何が起きているのか掴めないまま、恐れだけが先行するような不穏さが漂う。見えないなにかが音もなく忍び寄る、その迫りくる気配が恐ろしい。ほんの序盤にもかかわらず、この村にいるだけで危険が近づいてくるような圧がある。