概要
おとなしい女子たちと仲の良い水島 由衣(みずしま ゆい)
性格も、つるむ仲間も違うけれど、なんとなくウマがあう
ベタベタしない
でも、ふたりは、ちゃんと友だち
小学5年生の冬、早苗は変化する
『少女未満のわたしたち』のその後のおはなし
※単品で読めます
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ある意味、神聖で清々しく共に歩いて行くしかない、わたしたちの未来。
「血」にまつわるお話。
小学生の頃、私自身にも「血」にまつわる話がいくつかあります。こちらの「由衣ちゃんの血を舐めたい。」は思いもよらなかったストーリーで、読み始めるとぎゅっと気持ちをわしづかみにされました。
切ないような、懐かしいような女の子なら誰もが通過していく、儀式のようなものかもしれない。
私には、これの初めての記憶はないのですが、これほど繊細に優しく毅然と描いてもらえると、ラストを読み終えた後、清々しさがありました。
誰も逃げ出すことのできない、必ずやってくる未来。
それらをどう受け止めて生きていくのか。
どんな「血」にまつわるお話なのか、ぜひ、オススメいたします。 - ★★★ Excellent!!!少女未満の心とからだが〝赤い一瞬〟で塗り替わる物語
二月の冷たい風と
福原小の
〝カエル・ジャージ〟が揺れる教室で進むのは
まだ〝少女未満〟の子どもたちの
からだとこころが変わっていく
一瞬を切り取った物語。
タイトルの強烈さとは裏腹に
描かれているのは
雷注意報でつぶれた体育
くだらない言い合い
保健室へ続く廊下の心細さといった
誰もが覚えているはずの放課後の手ざわり。
そこへ、ある〝赤い出来事〟が落ちてきて
世界の色がそっと塗り替えられていく──
早苗のまなざしは
「女子ってめんどう」
という毒舌まじりの諦めと
親友、由衣への言葉にできない
愛しさのあいだで揺れ続けます。
その感情は〝友情〟と呼ぶには濃すぎて
〝恋〟と呼ぶに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少女の冬、初潮の鉄と友情の緑、静かな雪景色まで胸に刺さる、いつまでも。
『由衣ちゃんの血を舐めたい。』は、寒い朝のだるさ、給食のけんちん汁の温度、教室の風の唸りみたいな「身体の手触り」から、じわじわと心の奥へ入ってくる物語だ。小5の世界の解像度が高く、ふざけ合いと気遣いが同居する会話が、そのまま不穏の土台になる。
白眉は「緑のカエルの羽」の場面だ。転んだ早苗の異変に、由衣が鋭い声で男子を退かせ、脱いだ体操服で腰から下を覆い隠す。その一連が速く、正しく、やさしい。緑の布が翼みたいにひらりと舞う瞬間、羞恥が防壁に変わり、読者の呼吸もいったん整えられる。なのに後段で、祈りの形をした感情がじわりと別の顔を見せ、タイトルの残酷さが「言葉の遊び」ではないと分かって背筋…続きを読む