第2話エピローグ:和解と訂正**



***


**エピローグ:黒服と崩壊、そして野球**


バリー・ボンズの出現に腰を抜かす俺たちの間に、ファンシーな影が割り込んだ。


**「ハーイ! フレンズ!!」**


現れたのは、真ん丸で赤いアイツ……**バボちゃん**(等身大)だ!

バボちゃんは短い手を精一杯伸ばし、バリー・ボンズの丸太のような腕を掴む。

まさかの**ガッチリと固い握手**! 日米のビッグ・フレンドシップ成立!?


すると突然、どこからともなく『MUSIC FOR THE PEOPLE』のイントロが流れ出した。

爽やかな笑顔で手を振る人影が見える。


「あ、あれはまさか! いの? **いのっち?(笑)**」


俺は思わず指差した。V6の登場か!? これでバレーボール部入部は確定的――


その時だ。その人影が人差し指を立て、左右に振った。

**チッチッ**、と舌を鳴らす。


「違うな、**INORANさんだ!!**」


空気が一変した。

爽やかなユーロビートは瞬時に重低音のロックサウンドへとかき消され、廊下の照明が落ちる。

いつの間にか、俺たちの周りを埋め尽くしていた女子生徒たちが、全員**漆黒のドレス**に着替えているではないか!


「こ、これは……伝説の!!」

**「ルナシーの黒服ギグだ!!」**


「ギャアアアアア!! INORANーーッ!!」

「SUGIZOーーッ!!」


ズズズズズ……!!

地響きが鳴り響く。廊下の向こうから、さらに数え切れないほどの黒服の軍勢が押し寄せてきた。


**「女性ファン五万人集まり屋根が崩壊!! ウギぎゃああ!」**


バリバリバリバリ!! ドカァァァン!!

校舎の屋根が物理的に耐えきれず、瓦礫となって降り注ぐ。俺たちの青春(校舎)が、ロックの熱狂に押し潰されていく!


砂煙と轟音が収まった頃――。

瓦礫の山と化した廊下(だった場所)で、俺と友人は煤だらけになって立ち尽くしていた。


「……バレー部、入部届出せねぇな」

「ああ、職員室が潰れちまった」


呆然とする俺たちの背後で、野太い咳払いが聞こえた。


振り返ると、半壊した壁の横にバリー・ボンズ氏が無傷で立っている。

彼は寂しそうな、それでいて頑固な顔で人差し指を立てていた。


**チッチッ**、と舌を鳴らして。


「No, No......」


彼は崩壊した校舎の中心で、あの構え(クラウチングスタイル)をとった。

バリボーダヨ?、野球しようぜ?ベイビー!!


「バリボー、ダッテ!!」


(結局、野球からは逃げられない……!!)


**完**

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発音ひとつで、メジャー級。 志乃原七海 @09093495732p

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