液晶の向こう側から放たれる、青白い悪意。
潰された虫の死骸のような言葉たちが、網膜の裏側にびっしりと張り付いて離れない。
消えてしまえばいい。
喉元までせり上がった言葉を、冷めた紅茶の苦みと一緒に飲み下した。引
き止めはしない。窓の外では、行き場を失った冬の風が、カサカサと乾いた音を立てて夜を削っている。
名も持たない誰かが、軽々と死をなぞる。
その指先はきっと、この部屋の空気よりも冷え切っているのだろう。
錆びたカッターの、鈍い刃先を皮膚に這わせる。
不快な抵抗。裂けることのない皮膚が、ただ、じりじりと熱を帯びていくだけの不毛な痛み。
ドクドクと、耳の奥で脈打つ音が聞こえる。
煩わしいほどの拍動。絶望すら飲み込んで、この身体は勝手に、明日へと繋がろうと躍起になっている。
痛いのは、きっと
まだ、ここで呼吸を止めていないから。
粘りつくような血の通った温もりを。
生きているという、この残酷なまでの鮮明さを。
あの人は一度でも、その指先で想像したことがあるのだろうか。
ただ、筆を止めて。
この静寂さえも、奪わないでほしい。