概要
焼け落ちる神殿の中で、最後の女王・壱与(いよ)は、最愛の人ナシリをその腕の中で失う。
国も民も、守りたかったすべてが血と炎に消えたその瞬間――
壱与は女王だけに許された一度きりの禁断の鬼道『時駆(ときかけ)』を発動し、世界を巻き戻すことを選んだ。
目を覚ますと、そこは女王になる前の過去。
小川のほとりで十三歳の壱与が出会ったのは、未来で彼女を庇って死んだ十四歳のナシリ。
だが今の彼は、敵国から送り込まれた、冷酷な少年暗殺者(アサシン)だった。
「お前の命、俺がもらい受ける」
殺意を向ける少年に対し、壱与は未来の記憶と愛を武器に、真正面から向き合う。
「貴方は私を殺さない。私を守る剣になるの」
卑弥呼の死、権力争い、そして迫りくる敵・狗奴国
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!邪馬台国好きなので、たまりませんでした。甘々展開も!
女王卑弥呼が死ぬと径百余歩の範囲に多数の塚を作り、奴婢百余人を殉葬した。 後継者として男王が立った。 ところが男王を不服として国が内乱状態となり、当時千余人が誅殺し合った。改めて卑弥呼の宗女である台与を13歳の女王として立てた結果、倭国は遂に安定した。
この魏志倭人伝の記述が好きでした。
ナシリを失い、国を失いかけている25歳の女王は『時駆ときかけ』を使って、逆行します。
滅びを回避し、邪馬台国とナシリと仲間たちと生き抜くことができるのか。
そんなテーマもさることながら、主人公の壱与が凛として純粋でいいです。
ナシリとの恋の行方も見逃せません。
是非 読んでみてください - ★★★ Excellent!!!運命を書き換える情熱の物語
感情の機微を捉える繊細さと、物語を力強く動かすストーリーテリングの巧みさは、まさに圧巻の一言に尽きます。
本作の面白さは、古代日本を舞台にしながらも、現代にも通じる普遍的な葛藤を描き出している点にあります。特にヒロイン・壱与の運命をめぐる大胆な史実の再解釈には驚かされました。「もしも邪馬台国が……」という、歴史のifに真っ向から挑む作者様の挑戦的な筆致に、知的な興奮が止まりません。
特筆すべきは、少女アケビの成長物語です。自分の感情を剥き出しにして叫んでいた彼女が、敵王であるヒクナに対しても慈悲の心を抱くようになる——。その純粋すぎるまでの博愛精神は、殺伐とした戦乱の世界において、一点の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!歴史と少女の愛の目撃情報になれるような小説です
主人公は邪馬台国の女王、壱与。
邪馬台国の女王、卑弥呼の後継者として指名された彼女が、その後を描いた物語です。
話の骨格はタイムリープを使い過去に戻った壱与が故郷と最愛の人を守るために歴史を変えようとする……、という話ですが、
本作はタイムリープによる未来の知識というアドバンテージでどうにかするというより、
歴史を変えるために周辺国の人々との関わりをどう変えていくのか?という壱与の選択と、それによって影響を受ける人々の姿を丁寧に描いてくれています。
そのため、タイムリープものというより壮大な大河ドラマをみているような読後感がありました。
ただ、同時に進んでいくナシリとの恋の進展の方では…続きを読む