概要
孤独な日々の中で、彼女は父の愛人の子であるニコラウスと寄り添い、慰め合うように過ごす。
母よりも、父の愛人に心を向ける少女の傍らには、常に異母兄ニコラウスの笑顔があった。
だが、同母兄である皇太子エーミールの突然の死が、二人の世界に静かに影を落とす。
空位となった皇太子の座を巡り、嫡子ユーリアと庶子ニコラウスは、愛と権力の狭間で揺れ動き、
同母兄を喪ったユーリアに更なる悲劇が襲う。
そんな中、母の筆頭侍従ユラン伯の助けを得、
ユーリアは生き延びるため、自らの地位を獲得するために動いていく。
帝位を目指す果てにあるものは何か。
皇女ユーリアの見るものは何か。
彼女は歴史を動かせるのか。
中世ヨー
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!読者の想像力を刺激する、緻密で冷徹な「静寂の覇道」
本作の最大の魅力は、安易な感情移入を許さないストイックなまでの硬派な演出にあります。
主人公・ユーリアの視点で物語は進みますが、彼女の真意はあえて霧の中に置かれています。この「情報の空白」こそが、読者に深い考察を促す仕掛けとなっており、現代のエンタメ作品には珍しい、心地よい緊張感を与えてくれます。 登場人物の多さも、それだけ壮大な世界観が構築されている証拠。一人ひとりの思惑が交差する群像劇としての厚みが、物語に重厚なリアリティを付与しています。
特筆すべきは、ユーリアの冷徹なまでのカリスマ性です。 動機を饒舌に語らず、ただ淡々と、時に苛烈に皇帝への道を突き進む彼女の姿は、まさに「孤高の統…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大河ドラマを思わせる描写の壮大な宮廷愛憎劇
(32話読了)大河ドラマ、歴史小説の文脈で描かれた異世界歴史小説
登場人物一人一人に背景や思惑があり、愛憎渦巻く宮廷の混沌とした状況が、本物の歴史を書きとったかのようなリアルな描写で描かれています。
芝居や会話の一つ一つが、中世の価値観を下敷きにしているため、いわゆるナーロッパ世界と一線を画すものになっているのも見どころ。
作り込まれた世界観と時代考証が本当の歴史の出来事だったのかと錯覚させる出来ですが、歴史小説と違って先が分からないのも楽しみの一つ。
さて、陰謀の、事件の真相は?
主人公の行く末は?
最後まで目が離せないお話です - ★★★ Excellent!!!重厚で繊細な宮廷ファンタジー
宮廷ものとしての土台の作り方がとても丁寧で、作者さんの世界構築力がよく伝わってくる作品だと思いました。
キャラクターの立場の違いを、説明に寄りすぎず自然な関係性の中で見せているのが上手いです。
特にユーリアの振る舞いは年齢以上の聡明さと危うさが同居していて、「この子は将来どうなるんだろう」と先を読ませる力がありますね。
事件自体は派手ではないのに、愛妾制度や宗教観、宮廷の空気感がじわじわ効いてきて、静かな緊張感が続く構成も印象的でした。
作者さんが「権力の近くにいる子どもたち」をどう描きたいのかがはっきりしていて、安心して読み進められる導入だと思います。
重厚だけど読みづらくならない、…続きを読む