ファンタジーの世界観でありながら、本格的なミステリー的解決の美しさがある作品です。
特にいいなと思ったのが、エルフィーノの序盤の描写に関してです。
なかなか姿を現さない彼の「遅刻」や、再会時の消耗した様子。私はそれらを単なる物語上の「段取り」として受け流していました。
だけど終盤、その裏に隠されていたものが明かされたとき、序盤のあの何気ない描写が全く別の意味に変わりました。
ここは読んでいて、作者の構成力や筆力をとても強く感じた部分です。
また、事件の構図について、作者に誘導されていたことに読み終わってから気づきました。
中盤で提示される情報の出し順が巧みで、ある穏やかな解釈へと自然に誘導され、そこに安住してしまっていたのです。
だからこそ、真相が見えてきたときの落差に驚かされました。
この物語で私が最も心を掴まれたのは、処刑台の炎が迫るダイナミックさと、鎌倉の高架下で雨音だけが聞こえてくる静けさの対比です。
エルフィーノがアリアドネを「壊れもの」のように抱きしめるあの場面。
言葉が一切なくてもふたりのあいだに流れる感情の密度が伝わってきて、思わずスクロールする指を止め、その文章を何度も読み返しました。
最後に、この作品の結末が温かく着地できているのは、偶然ではなく、「嘘で身を守るしかない世界」という約束事が守り抜かれていたからだと思います。
素敵な物語をゼロから生み出してくださり、ありがとうございます。
次作も楽しく読ませていただきます。
どんな強力な武器も使い手しだい。
聖女アリドアネは人の嘘を見抜ける強力なスキル「ウソ発見」を持っています。
しかし、彼女の性格には問題が……!
スキルで嘘を見破ったら、それを指摘しないと気が済まないのです。
所かまわず嘘を指摘してしまうので、思わず「わかった。わかったから。今は黙ってて!」と何度も叫んでしまいました。
アリドアネ「はい、叫んだというのは嘘!」
すみません。叫んではいません。思っただけです。
処刑されそうになって現代日本に転移し、探偵事務所に身を寄せたアリドアネ。
彼女に周囲が振り回される様子が痛快です!
アリドアネの暴走っぷりと探偵業務での大活躍をぜひご覧ください!!
異世界から鎌倉にやってきた聖女が、嘘が視えるという「はずれスキル」を生かして事件を解明するエンターテイメント。テンポよく進んでいくミステリーとしての面白さも抜群ですが、社会の不条理や醜さ、本音の恐ろしさなどが散りばめられてあり、心理ドラマとしても読みごたえがあります。
主人公がズバズバと嘘を見破っていくところは化けの皮をはがすようで痛快でもあります。でも真実を知ったときのなんともいえない悲しみや苦しさも同時に感じるのです。優しい嘘、醜い嘘、色んな嘘を暴きながら、主人公が少しずつ成長していくのを応援したくなります。
そんな彼女と喧嘩ばかりしながらも渾身の力で守る精霊がまた魅力的です。鎌倉の探偵事務所や警察の面々も含めて、メインキャストにも深みがあって面白い。
まだ物語は謎を残したままです。この機会にぜひ彼らの活躍のつづきを追いかけてみてはいかがでしょうか。
王都での政争に巻き込まれた聖女アリドアネがもつスキルは、嘘を見抜く力。だが、陰謀渦巻く王政の権謀術数の中にあって、その能力はあまりにも危険すぎた。罠にはめられ火あぶりに処させる聖女アリドアネ。だが、彼女につく精霊の皇子エルフィーノは死の直前アリドアネを救い出し、遠い世界に飛ばすのであった。……現代の鎌倉へ。
本作はタナタラン王朝が治める異世界と現代の鎌倉のふたつのパートで構成されており、すなわち一粒で二度美味しい構造をしております。タナタラン王朝内での政争に巻き込まれ、火あぶりの刑に処させるアリドアネ。そこからいきなり鎌倉へ飛ばされて探偵に拾われ、嘘を見抜く能力を駆使して事件捜査に協力するアリドアネ。
異世界でも鎌倉でも、相手の嘘を視ると「嘘です」と指摘せずにいられないその性格が災いして、物語はいつも面白い方向へと転がります。
ああ、自分にも人の嘘を見抜く力が欲しいとか、嘘をついている人に思いっきり「嘘です」といい切ってみたいとか常日頃から思っているぼくなんかには、なんとも痛快でそのあとのドタバタも他人事としてとても楽しく読ませていただきました。
本作はまだまだ続きが書かれるということなので、次回は本格的な推理劇とか密室トリックなんかをひそかに期待して待っています。
異世界のタナタラン王国ではずれスキルの聖女と呼ばれ続けてきたアリドアネ。
貴族達の政争に巻き込まれ、殺されそうになった彼女が、常にそばで見守ってくれていた精霊・エルフィーノによって転移させられた場所は……なんと、現代の鎌倉。
幸い、親切な探偵・月皓に拾われたものの、無一文のアリドアネには当然ながら行く当てもなく……。
しかも、頼みの綱のエルフィーノとは離れ離れで、周りの人々は「噓発見」のスキルどころか、アリドアネが話すことをまったく信じてくれない状態。
果たしてアリドアネはどうなってしまうのか……!?
異世界の聖女が現代の鎌倉で探偵のお手伝い、という先の読めない物語。
気になる方はぜひお読みください!
人間ウソ発見器の聖女アリドアネ。その力を発揮して世間の役に立っていたつもりが、世渡り下手も相まって、権力者たちの対立に巻き込まれるかたちで火刑の憂き目に……。しかし彼女には守護神、精霊エルフィーノの存在がある。
彼の力で、危ういところを救いだされたアリドアネなのだが、たどり着いた先はまさかの日本、鎌倉。
異世界の常識はこちらの非常識。記憶喪失扱いされつつも、親切な探偵に拾われて居候生活を始める。そんな中、嘘を見抜く能力が、とある事件の関係者と会うことで、彼女に活躍の場を与えることになった。
異世界聖女ものと現代ミステリが融合している作品。そして、ここ意外と重要かもしれないので書いておくと、不遇ヒロインのアリドアネの周りには多種多様な方向のイケメンがそろっております。あなたは誰がお好きか?
事件のパートも、繊細かつ硬質なので読みごたえがあります。人間を描くのが上手な作者様だからこその面白さでした。
一つの事件が解決し、アリドアネとエルフィーノの過去が明かされて、いったん完結のようですが、今後の構想もあるようです。まだまだ興味深い展開が予想される作品。おすすめです。
嘘を見抜くスキルを持つ聖女アリドアネは、実直すぎる性格が災いして処刑され、なんと日本の鎌倉に転生。
拾われた先の探偵事務所でスキルを活用し、依頼人や関係者の嘘を見抜いて事件を解決に導いていく?!
という、一風変わったストーリーの物語です。
異世界から転生してきたアリドアネと、現代日本に生きる人々との会話のズレが面白いです。
他人の嘘は見抜けても世間体や場の空気の読めないアリドアネは、月皓探偵や助手の海人のフォローを得ることにより、その本領を発揮していきます。
ファンタジー要素があるからと侮るなかれ。
事件の調査シーンは、ミステリ作品さながらのリアリティ。謎が次の謎を呼び、納得感ある解決へと収束します。
月皓さんや海人くん、刑事の加瀬さんなど、どの登場人物もそれぞれに魅力的。
探偵事務所メンバーの空気感が非常に良く、彼らのやりとりをずっと見ていたいと思わせます。
忘れてはいけないのが、ずっとアリドアネを支えてきた精霊エルフィーノの存在。この世界に来る前から、二人は特別な絆で結ばれていたようで——
本作は今後、連作短編として、さまざまな事件を扱っていく予定とのこと。
前世で不遇を極めたアリドアネがどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
さまざまな要素が見事に融合した傑作エンタメ。おすすめです!
アリドアネは、『ウソ発見』のスキルを持つ聖女。
そのスキルを使って人々の役に立ってと言いたいところですが、世の中には、ウソが見破られると厄介なことになる人が少なからずいるのですよね。残念なことに、権力者でもそれは同じ。というか、権力のある人ほどウソを巧みに使っていそうと思うのは偏見でしょうか?
とにかく、そんなスキルを持っているからこそ疎まれたアリドアネは、あらぬ罪を着せられ処刑されることに。
これはいけないと彼女の守護精霊が助けてくれたのはいいですが、その結果アリドアネは、別の世界にある鎌倉という場所にたどり着きます。
そう、鎌倉です。我々の住む日本にある、鎌倉なのです。
日本から異世界に行く話は数えきれないほどありますが、それと比べると、逆に異世界から日本に来る主人公というのはかなり珍しいのではないでしょうか?
もちろんアリドアネは日本のことなんて全く知らず、元の世界の話をしても信じてもらえなかったり、機械を見て魔法かと思ったり、戸惑うことはたくさん。
探偵の月皓さんに拾われたものの、常識のズレを埋めるのも一苦労です。
しかし探偵業なら、『ウソ発見』のスキルを活かす機会もあるかも。
たまたま時を同じくして起こった事件に関わることになるのですが、チート級のこのスキルのおかげでパパッと解決? それとも、それだけではわからない真相が隠されてる?
異世界の聖女は、こちらの世界で謎を解くことができるのでしょうか。
人の心の声を聞いて、ウソを見破るスキルを持つ聖女アリドアネ。
しかしウソを見破る力は、案外煙たがられるもの。
もしも後ろ暗い事のある人がウソを見破られたら、困りますもんね。
そんなわけで、権力者達はアリドアネを罠にはめて、処刑しようとしたのです。
しかし殺される直前、アリドアネに力を貸す精霊の術により、彼女は異世界へと転移させられたのです。
飛ばされた世界の名は、日本。
そう、本作は日本から異世界に行って無双するのではなく、元々力を持った聖女が異世界から日本にやってくるパターンなのです。
飛ばされたはいいけど、行く当てのないアリドアネ。
そんな彼女を拾ったのは、どこか影のある探偵の月皓さん。
ウソを見抜く力を持つ聖女と探偵達が協力して、難事件に挑みます!
空気を読まず事あるごとに「それはウソね」と言いまくるアリドアネに困りながらも、事件解決のためにがんばる探偵チームを、応援してあげてください。
完璧なウソというものがあるのなら、自分のウソを真実と思い込んだものだろう。
——この作品の「嘘」の怖さと切なさは、まさにここにあります。
異世界で「嘘が視える」力ゆえに火刑に処されかけた聖女アリドアネが、精霊皇子エルフィーノの力で現代・鎌倉へ。
強烈な導入の苦さを、鎌倉のしっとりとした空気が静かに底支えしてくれます。
嘘がわかるのにミステリーが成立するのか——するのです。
真偽判定で終わらず「なぜ嘘をついたのか」へ踏み込んでいくので、捜査が早くても謎解きの快感がちゃんと残るのが見事でした。
キャラクターたちの掛け合いも軽妙で、会話のテンポで日常パートも事件も恋も、グイグイ読ませてきます。
そして最後には、甘いだけで終わらない余韻が胸に残りました。
現代と異世界にまたがるミステリー、ぜひおすすめです!
雨杜和さまは、いろんなジャンルが書ける稀有な作家さまです。
最近読んだものは
「生き延びるために身につけた最悪のこと」
「神託により契約の契りを命ず」
「晩蒼伝~いつわりの愛を告げるおまえは、限りなく優しく一方で冷酷な顔を隠していた〜」
そして「半魂〜鎌倉、八百年の呪〜」に出ていた加瀬警部補が今回は脇役で登場します。
気になった方はチェックしてください😉✨✨✨
さて、主人公のアリドアネはタナタラン王朝の聖女。
嘘を見抜くスキルのせいで疎まれ火刑に!
精霊エルフィーノによって転移させられた先が、現代日本の鎌倉でした。
アリドアネは江ノ島近くの砂浜で困っていると、
鎌倉の探偵事務所の経営する、月皓(つきしろ)とその助手の海人(かいり)に出会う。いろいろあって居候することに。
刑事ものは、専門用語が多くてやや苦手な桃子ですが、探偵という職業にわくわくしますね。
雨さまは何といっても、軽妙な掛け合いに笑ってしまいます。シリアスと笑いが絶妙ですよ。
助手の海人はかわいくて、精霊エルフィーノはイケメンで好きですが、わたしは渋い月皓さん推しです。
「はずれスキルの聖女」と呼ばれたアリドアネは嘘を見抜くスキルが役に立つのか?
鎌倉のレトロな街並み×探偵という組み合わせが素敵です。
おススメします(´っ・ω・)っ📚✨🕵
嘘を見抜く力を持つ聖女アリドアネ。
彼女は「暴いてはいけない嘘」を見抜く力を持つために命の危機に陥ります。そんな彼女を救うため、相棒的存在である精霊エルフィーノは、アリドアネを日本の鎌倉へと逃がすのでした。
異世界――鎌倉にやってきたアリドアネは、探偵事務所に居候することに。
持ち前の「嘘を見抜く力」を使い、彼女は不可解な事件に立ち向かっていきます。
嘘を嘘だと公言してしまう彼女は、トラブルに巻き込まれてばかり。
鎌倉で出会った探偵事務所の面々も、彼女の扱いに四苦八苦していて、そのやり取りがとても面白かったです。
そんなアリドアネの姿を見ているうちに、思わず自分と彼女を比べてしまいました。
私は、嘘だと分かっていても、あえて指摘せずに済ませることがとても多い――そう気づいたんです。
その気づきから、嘘は時に人間関係の潤滑油のような役割を果たしているのかもしれない、と改めて感じました。
『ウソ発見』というスキルは、本人にとっては厄介な能力かもしれません。
けれど、物語にとっては間違いなく魅力的なスキルで、この能力が作品を一層面白くしていると感じました。
異世界と現代日本のどちらでも物怖じせず、嘘を嘘と公言しまくるアリドアネの奮闘ぶりが魅力のファンタジックなミステリー小説です!
口封じのために処刑されることになったアリドアネは精霊エルフィーノによって江ノ島近くの海岸に転移し、偶然居合わせた探偵事務所を経営する元公安エリート月皓と、その助手である海人(かいり)に拾われれます。
そこでアリドアネとエルフィーノは探偵助手として彼らのチームに加わり事件を追うことに。
「嘘を視る」という“外れ”と呼ばれたスキル、その特殊能力で、今度は“真実”と“人の心”を救っていく、そんな カタルシスを感じます。
人の嘘と真実に向き合うアリドアネの魅力も抜群で、ミステリーとしての面白さはもちろん、ヒューマンドラマとしても楽しめます。
又、アリドアネとこじらせ精霊王子エルフィーノとのコンビが最高です。
不器用な、でも優しさを感じるふたりが、現代日本で事件に挑むたびに絆を深めていく様子は、読んでいて楽しいです。
現在好評連載中!
どんな展開が待ち受けているのか、続きが待ち遠しい私です。
是非、ご覧ください。
おススメです!
アリドアネは真実が見えてしまう聖女。
ある日ひょんなことからウソを暴いてしまい、火あぶりの刑が待っていました。
そこを相棒同然の妖精皇子エルフィーノに助けられ、たどり着いたのは現実世界の鎌倉だった。
出会った探偵のもとへ転がり込んだアリドアネは、真実が見えるスキル「ウソ発見」を活かして、事件解決に協力していくことになります。
果たして、どんな「ウソ」を見破って真実を暴いていくのか。
逆・異世界転移ファンタジーですが、推理はしっかりと論理的に組み立てられています。
ぜひ、皆様も推理を楽しんでみてはいかがでしょうか?
聖女アリドアネは、人の嘘を見抜くことができるスキルを持っている。便利なようだけれど、嘘をついている者にとっては厄介なスキル。
脅威に感じた人たちによって、アリドアネは処刑されることに。
ですが、精霊エルフィーノのおかげで処刑を回避し、現代日本に転移!!
危険脱出!無事でよかった!ばんざーい!
ではありますがっ!!
異世界と現代日本には大きな差が。
アリドアネは困惑しますが、それは現代日本人も同じ。アリドアネに出会った月皓と海人は異世界の話を受け入れることができません。
そこらへんのズレがユニークに書かれていて、おもしろいです。
さらには、月皓の探偵事務所に事件らしきものが舞い込んできます。最初は単なる家出(?)かと思いきや、事件は複雑なものに。
アリドアネは人の嘘を見抜くことができますが、人の闇は深い。
作品のあらすじに『真実とは、ウソとは何かがテーマ』と書いてありますが、アリドアネは真実とウソを見抜き、事件を解決に導くことができるでしょうか?
探偵である月皓は優秀そうなので、アリドアネといいコンビになって事件を解決するのではないかと私は期待していますが、さてどうでしょう?
純粋すぎてハラハラしてしまうアリドアネと、冷静な月皓、助手の海人。イケメンすぎる、でも毒舌な妖精エルフィーノ。
個性的な登場人物たちが織りなすワチャワチャ感と、事件の謎が深まっていくのが楽しい作品です。